「“脱ぐべきゲスト”が脱いでくれた」最終話放送直前の『AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-』制作Pインタビュー

――『大東京トイボックス』はゲーム制作がテーマの作品ですが、アニメ制作にも通じるところはあると思いますか? また、ものづくりの現場で大切にしていることがあれば教えてください。

奥山 私はもともとゲーム業界の出身で、先輩が朝礼で紹介していたので『東京トイボックス』は読んでいたんです。現場にいながら読んでいたので「こうだよね、アツいよね」という共感はありました。ちょうど上司に天川太陽みたいなアツいプログラマーがいたんです。大手メーカーから来て、プログラマーとしては超一流。「火事が起こったら俺より先にPC持って逃げろ」「プログラムが子どもだから子どもはいらん」と言うほどの熱血プログラマーでした。結婚はしているんですけど(笑)。それぐらいアツい人がいたので、制作者の空気はうまく表現されているなと思っていました。

 でもまさか、私がアニメ業界に来てからコラボすることになるとは思っていませんでした(笑)。実は『大東京トイボックス』のアニメ化企画を出していたこともあるのですが、ちょうど時期がドラマ化と被ったためかボツになった、なんてこともありました。

――それがめぐりめぐってコラボというかたちで実現したと。

奥山 めぐりめぐってですね(笑)。これはアニメ業界とゲーム業界で違うなと思ったところなのですが、ゲームのほうは分業制というか、細かく担当が分かれちゃうんです。『大東京トイボックス』のなかでは「みんな集まって一緒につくるぜ」みたいな空気になるのですが、実際の現場ではみんなが個人のPCに向かってずっと作業としていて、和気藹々とはほど遠いような現場感がありました。私がいた会社では同じ社内にいても全部メッセンジャーで会話をする現場だったんです。ゲーム業界のときよりはアニメ業界のほうが「みんなで終わらせようぜ!」っていう空気感が強いと思います。『大東京トイボックス』とはその空気感は一緒かもしれないですね。

『AKIBA’S TRIP -THE ANIMATION-』の最終話も大変でしたが、各自担当の話数は終わっているから「みんなで集中してやろうぜ」と。5話で一人原画を担当してくれた北川(降之)さんがなぜか第2原画を手伝うとか。ダンスシーンのリテイクもあって、桑原(寿弥)さんという3話のダンスシーンをやってくれた方にもお願いしました。

「脱ぐべきゲストが脱いでくれた」最終話放送直前の『AKIBAS TRIP -THE ANIMATION-』制作Pインタビューの画像313話先行場面カット

――最終話にスタッフが集結していったんですね。

奥山 そうですね。キャラクターデザイン・満田(一)さんも作画をやって、総作監も集まってきて(笑)。ダンスに加えてアクションも盛りだくさんだったので、通常だいたい300カットのところが13話は430カットっていうすごい枚数になったんです。でも、みんなの力を集めてキレイに完成できたなと思います。みんなが集まったおかげで、短い期間でなんとか作りきった感じですね。最終的には制作も5人全員で走り回るし、みんなボロボロになっていくし。制作は制作で、クリエイターはクリエイターでみんなボロボロになっていくし(笑)。V編が終わった瞬間にみんなで「メシ食いに行こうぜ!」って十数人で朝まで飲み明かしました(笑)。

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