サービス盛りだくさんで「亜人のいる日常」を描き切る最終回!『亜人ちゃんは語りたい』第12話「亜人ちゃんは泳ぎたい」レビュー!

 後半。亜人生徒に誘われて参加した人間女子生徒2名が、プールサイドで休んでいる。女性キャラを全員水着にさせようというスタッフの計らいが全面的に正しい! おまけに人間生徒1人は巨乳でなお正しい!

 プールで遊ぶ亜人ちゃんたちたち。プールサイドの京子(の頭部)と鉄男は語らう。まずは「頭部は会話しながら胴体はプールで遊べる」というデュラハンの器用さについて。そしてデュラハンの伝承について。デュラハンは川を渡れないという伝承がある。これは頭部を川に落としたら一大事だ、という実際のデュラハンの性質に合致している――

 語らう京子にひかりが「(頭部が)水の中に潜ったことないんじゃない?」と訊き、水の中に入るよう誘う。説得される京子。鉄男は彼女の親に一本電話を入れて(ちゃんとしてる!!)、頭部が潜るのを手伝ってやる。 ここで鉄男が水着になるのだが、あまりの筋骨隆々ぶりに亜人ちゃん一同ビックリ。京子は顔を赤らめ、早紀絵は「ひぎいーっ!」と興奮の声を漏らしてしまう。彼に恋する2人なら自然なリアクションではあるが、ぶっちゃけ視聴者もビックリするレベルでムキムキである。一応第10話に伏線はあったけどね(相馬のセリフ)……。

 初めて水に潜り感動を覚える京子(の頭部)。この辺りから水の描画にCFが使われ、各人の楽しそうな様子が静止画で描かれる。おお、なんとなく切ない! 最終回ということもあって寂しい! 

 帰り際、ひかり(髪を解いている)はすっかり日焼けした顔で鉄男に感謝の言葉を述べる。「外で遊びたかった」「室内プールだとみんなが変に気を遣って、今後は自分を誘いにくくなるだろうから」と本心を告白しつつ。ひょうきんな彼女が内心は周囲との差異に苦悩していることがわかるシーンだ。泣ける!

 月曜朝。鉄男が校門に立っていると、ひかりが登校してくる。彼女は先日「窮屈か」と訊かれたことについて、不意に大真面目な回答をする。「ちょっと窮屈でもみんなと同じ時間を過ごす方が、ずっと大切でずっと楽しい」と。
 本作の総まとめとも言える、誠実で感動的な答えである。最終回に相応しい! …と思ったところで鉄男はひかりに、「これに名前書いて」と遅刻者名簿を突きつける。ひかりは豪快に遅刻していたのだ。ニクいね、このはぐらかし展開!

 「ちぇー」とむくれながら名簿に記入するひかり(口は数字の「3」。ベタな記号表現だ!)を見ながら、鉄男は感慨にふける。

 最初は興味本位だった、次第に助けてやりたいと思うようになった。実際は自分の方が教わること、助けられることが多かった――

 ここで今現在の亜人ちゃんたちの様子が、次々にカットバックするのが感動的だ。クラスメイトと語らう京子。ギャグ漫画好きの友達を見つけたと思しき雪。そして生徒と恋の話をしているらしい早紀絵。これまでの11話を観ていると、彼女たちが悩み苦しみに立ち向かい、前に進んでいることが分かる。一回はぐらかしといて感動オチである。こんなん泣くに決まってるよ!

 遅刻の苦しい言い訳を始めるひかりを軽くあしらいながら、鉄男は「俺はもっともっと語りたい。デミちゃんと語りたい」と思いを新たにするのだった。

 基本的にはサービス回、それも「プールで遊びました」という日常話でしかないのだが、最終回に相応しい演出が随所に施され、グッときてしまう第12話。各キャラの前進ぶりも分かって「よかったねえ」と親心にも似た感慨に耽ってしまう。
 ほのぼの日常モノながらシリアスな題材を扱い、視聴者に考えさせつつ「亜人ちゃんたちカワイイ!」「早紀絵さんエロい!」と実用性(?)も抜群だった「亜人ちゃんは語りたい」、これにて放送終了。第2期放送を期待して待とう。
(文/JUP-ON STUDIO)

亜人ちゃんは語りたい 1

亜人ちゃんは語りたい 1

吸血鬼とプール、全然似合わないけど、だがそれがいい

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