パスワードの打ち込みが不要に!? “読唇術AI”によるバイオ認証システムが登場

 人工知能(AI)は、現在進行系でめざましい進化を遂げている。先日も紹介したが、人の口の動きで発言の内容を判断する「読唇術」のスキルにおいても、AIは早くも人間の専門家を凌駕しているのだ。そして、この優れたAIの読唇術が近いうちにセキュティの分野で活用されるようである。

パスワードの打ち込みが不要に!? 読唇術AIによるバイオ認証システムが登場の画像1「Futurism」の記事より。

■読唇術によるバイオ認証システムが登場

 香港浸会(しんかい)大学の張曉明教授が率いる研究チームは先頃、AIの「読唇術」技術を応用したパスワード・セキュリティシステムを発表している。カメラの前でパスワードを口にすることでIDを認証するという新たなシステムである。

 不安を拭い去れないパスワードによる認証に代わるものとして、いわゆるバイオ認証(バイオメトリック・セキュリティ)が少しずつ浸透してきているのはご存知の通りだ。スマホでの指紋認証もすっかりお馴染みになっている。

 しかしこの指紋認証にも落とし穴がある。ドアノブやグラスなど、何かに残してしまった指紋はその気になれば採取して複製することができる。また最近では、ピースサインを向ける人物写真から指の指紋を正確に検出できた

 そして何よりも悩ましい点は、指紋はパスワードのように変更できない点である。つまり、一度指紋を採取されて悪用される被害にあったら、その後の人生で指紋認証は使えないことになるのだ。

 そこで新たなバイオ認証技術として、張曉明教授らは読唇術(lip-reading)ソフトウェアでユーザーの口の動きを認識してID認証するという、きわめて高いセキュリティの認証技術を開発した。

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