――夕方枠でも大暴れだったアニメ『銀魂』(テレビ東京系)が深夜枠に初進出! 本稿では、そんな“お騒がせアニメ”『銀魂』をレビューしていきます。
■『銀魂』第4期
第327話「一番弟子」
「烙陽決戦篇」も気づけば11話目。ついに夜兎の兄妹喧嘩に決着が着いた前回。神楽と神威はもちろん銀さんたちも満身創痍ですが、一息つく間もなく新たな追手が。銀さんと桂に倒された三凶星の馬董と猩覚です。でも戦う意思はなく、なんと味方になってくれる模様。
元来“海賊”である彼らは、「楽しそう」という単純な理由でそれを決意したのですが、神威もまた“海賊”。息子としてより、兄としてより、海賊として長く生きた神威はもう誰にも負けないことを誓い、前に進むことを決めたのでした。
その一方、神威と神威のパピーである星海坊主は、虚との戦いで瀕死の状態になっていましたが、なんとか命をつなぎとめたよう。病床で星海坊主は、自分らが決めなきゃいけなかったのは、「家族の縁を断ち切る覚悟」ではなく、「どんなになっても千切れない糸に身を絡まれた時に、そいつをたぐり寄せようとする覚悟」だったと語ります。銀魂らしい、なんだかカッコいい比喩! そして、それを教えてくれたのは神楽だったと。
その神楽は、やっと銀さん&新八との対面をはたすのですが、神妙な面持ち。神楽は勝手なマネをしたことを謝りますが、銀さんは神楽が育った故郷、そして家族を見ることができたのだから「悪かねぇ休暇だった」と。かっこいい……! こういう上司ほしい。
だから、銀さんは神楽が持つ退職届はしまえと言うのですが、「そうじゃなくて、この休暇、ただの休暇じゃなくて有給休暇にしてくれない?」と“ゆう休とどけ”を提出しようとする神楽! そして船から海へ突き落とす銀さんたち!! 「うちにとって有給届は死亡届と同義だ」と銀さん。とんでもないブラック万事屋……!
金がないという神楽に「一体何に使ったんだ」と聞くと、「ホテルの宿泊費、美術品の購入費、書道のためのチャイナ服。すべて必要経費ネ」。そして「どこの元都知事!?」と突っ込む新八! 原作マンガにもあった、舛添要一元都知事の政治資金問題ネタをアニメでもやってくれました。
ただ、原作にあった「ハゲの治療って何だ そんなもんお前の大好きな書道の墨汁でもぶかけとけ都知事」「都知事もういい!! ニュースだけでウンザリ!!」ってセリフや、舛添元都知事らしきシルエットはアニメではカット。
パロネタがたっぷりでおなじみの『銀魂』ですが、2011年に蓮舫行政刷新相(当時)をネタに使った回が、CS放送分では放送休止になるなどの騒動に。今回舛添元都知事をアニメ化しなかったのは、そういう過去もあってでしょうか? まあ、単にネタが古いからっていう理由かもしれませんが。
そんなことが気になる今回の「一番弟子」のメインは、高杉と朧との戦い。朧の過去が明らかになった回でした。幼少期に天導衆の暗殺部隊・天照院奈落に一族を殺された朧は、当時奈落の首領だった虚に血を分け与えられ、それによって生かされていた存在でした。
というか、幼少期の朧の声がかわいいなと思ったら、悠木碧さんが声を担当していました。妙に豪華! 虚が吉田松陽として松下村塾を開くきっかけを作ったのは朧の言葉で、そして一番の兄弟子が朧だったとは。でも皮肉にも、その松下村塾を潰したのは朧になってしまったけど……。
弟弟子である高杉との戦いで、虚から受け継いだ血の限界を迎え、死を迎えようとする朧。最期に「吉田松陽とは、虚とはなにか」、兄弟子として高杉に語りかける――というところで今回は終わり。虚について明らかになりそうな次回ですが、本編とは別に“重大発表”があるそう。発表もあわせて次回を楽しみに待ちたいところです。
(文・月島カゴメ)
【アニメレビュー】「ホテルの宿泊費、美術品の購入費……」舛添元都知事の政治資金問題ネタを展開したアニメ『銀魂』のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、悠木碧、銀魂、舛添要一、蓮舫の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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