富野由悠季監督が「嫉妬した！」片渕須直監督と対談！　新プリキュア5人のグラビアも！「アニメージュ」2017年4月号

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――アニメ専門のニュースサイトも増え、SNSの充実によって製作委員会から直で情報が発信されることも多い今、各アニメ専門誌はどのように記事や作品を取り上げ、作り上げ、それぞれの特色を出しているのか？　いわゆるアニメ誌御三家の目玉企画や気になる記事を取り上げ、アニメ業界の波を分析していく――

「アニメージュ」2017年4月号（徳間書店）

■「アニメージュ」2017年4月号
出版社：徳間書店
発売日：3月10日（毎月10日発売）
価格：980円（907円＋税）
創刊：1978年

　今月の表紙には、いよいよクライマックスが近い『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』（MBS、TBS系）を持ってきたアニメージュ。だがしかし、今月号のアニメージュ最大の注目ポイントは、誰がなんと言おうと104ページから始まる富野由悠季監督×片渕須直監督の対談でしょう。

　対談ページのリードでは「富野監督たっての希望で映画を手掛けた片渕監督との対談が実現しました」とあるように、さすがに内容が濃い。2人が同じ日本大学芸術学部映画学科出身であったことを皮切りに、富野監督が監督・クリエーター論を語りながらも、大ヒット上映中でさまざま賞を受賞、“嫉妬した！”という『この世界の片隅に』について、片渕監督へ質問をぶつけてくというスタイルで対談は進んでいきます。

　富野監督が片渕監督を知ったのは『この世界の片隅に』が初めて、さらに「次々と出てくる後進の才能というのは、前の世代の人間には手が出せない」「おそらく『金を積むからやれよ』という人間がやってきますよ」といった生々しい発言が飛び出したり。

　一方片渕監督からは、『この世界の片隅に』の主人公・すずさんに特定のモデルが存在しないこと、そしてこうの史代さんの『夕凪の町 桜の国』がヒットしたため、『この世界の片隅に』が柳の下の二匹目のドジョウみたいに思われてしまっていたことなどが明かされるなど、興味深い内容となっています。

　残念ながら対談は2P分のみ、単行本『富野に訊け!! ＜悟りの青＞篇』に続く！　という形で終わっていますが、読んで損のないページであったと思います。

　巻頭から気になるページを紹介していきます。巻頭では『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の、合計12Pにわたる特集。ノルバ・シノ役村田太志さん、ヤマギ・ギルマトン役斉藤壮馬さんの対談などが収録されていますが、特に目立つのはシリーズ構成・岡田麿里さんのインタビュー。全4P、文字ぎっしりです。印象的だったのが、『機動戦士ガンダム』、通称ファーストに登場したミハルの死が衝撃的で刺激を受けていたという下りでしょうか。「私にはやりきれなかったかなぁ……」と振り返っています。

　続いては「Ready,set,go！」と題された春の新作アニメ特集。アニメージュは『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』『カブキブ！』『僕のヒーローアカデミア』『アリスと蔵六』『スタミュ第２期』『進撃の巨人Season 2』『王室教師ハイネ』という作品たちを2Pずつ紹介。自社作品なんだから、『アリスと蔵六』をもっと応援してあげればいいのにな、と思いました。女性向け作品ばかりの特集の中、ピンクのドレス姿の紗名ちゃんの描き下ろしイラストがとても印象的です。

　さて、今月号で富野由悠季監督×片渕須直監督の対談の次に、これは面白いと思ったのが『映画プリキュアドリームスターズ！』関連のページです。まずは巻頭ピンナップに、現在放送中の『キラキラ☆プリキュアアラモード』（ABC、テレビ朝日系）より、キュアホイップ：美山加恋さん、キュアカスタード：福原遥さん、キュアジェラート：村中知さん、キュアマカロン：藤田咲、キュアショコラ：森なな子の5人のコスプレによるグラビア！　さらに55ページからは5人の座談会も掲載!!　

　美山さん、福原さんが可愛いのは知ってましたが、正直「きついのでは？」と思っていた3人もなかなか可愛いです。5人のキャッキャッとした感じの座談会も楽しげですし、版権イラストも、映画に登場するプリキュア12人とゲストキャラたちもしっかり描き込まれた、気合を感じるものになってます。

　ほか、巻頭ピンナップは『イナズマイレブン アウターコード』『劇場版黒執事 Book of the Atlantic』『MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang』。付録は『ユーリ!!! on ICE』のB2サイズポスター（裏面は記事）、ミニ下敷きとメモ帳。いつまで『ユーリ』で推すんでしょうか。CCCに買収された徳間書店の成り行きとあわせて、密かに注目してみたいです。
（文・サトウスズキタカハシ）