『君の名は。』新海誠、細田守への対抗心から小説を執筆!? 「SUGOI JAPAN Award2017」各部門1位が発表

2017.03.16

 3月16日、大手町・よみうり小ホールで「SUGOI JAPAN Award2017」贈賞パーティーがおこなわれ、各部門で1位に選ばれた受賞者が登壇した。

「SUGOI JAPAN Award2017」は、「マンガ」「アニメ」「ラノベ」「エンタメ小説」の4つのジャンルを対象に、ファンが「世界中の人々にも紹介したい!」と支持する作品を国民投票によって選出する試み。3回目を迎える今回は、「マンガ」「ラノベ」「エンタメ小説」については過去約3年半の間に連載・刊行スタート、「アニメ」については過去約1年の間に放送・上映が行われた作品が対象とされた。

 アニメ部門とラノベ部門で1位に選ばれ、2冠に輝いたのは、12年からウェブサイト上で公開が始まり、14年に書籍化、16年にアニメ化された『Re:ゼロから始める異世界生活』。登壇したアニメプロデューサーの田中翔は「通常は、予算の確約がとれてから動き出すものですが、まず『行けるだろ!』と動き出して、ある程度固まってから担当編集や原作者さんに提案をしたので、いつもとはちょっと順序が違いましたね(笑)」と制作の舞台裏を明かし、制作プロデューサーの吉川鋼樹は「(主人公が何度も死ぬ原作のアニメ化は)表現の規制などを考えると難しいかなと思っていて、たくさんのチャレンジをしましたが、いつも田中さんの『大丈夫ですよ』という“名言”に何度も助けられました」と語った。

 続いて登壇した著者の長井達平は「最初は誰から頼まれたわけでもなく、ウェブの小説投稿サイトで書き始めて、当時は書籍化・アニメ化も想像できなかったんですが、ここまで支持していただいて、関係者のみなさん、ファンのみなさんに感謝しています」と語り、大塚真一郎のイラストについて「初めて見た時はめちゃめちゃ感動しました。絵が付いてから、自分の頭の中でキャラクターが動き出して、描写の“濃さ”が変わりましたね」と明かした。

 エンタメ小説部門で1位に選ばれたのは、興行収入200億円を突破した大ヒットアニメ映画の小説版『小説 君の名は。』。著者でアニメ監督の新海誠は「小説は映画公開の2カ月前に発売されて、公開前に40万部という数字が出ていました。おそらく中高生、大学生中心に『これは自分たちのためのコンテンツなんじゃないか』と思って小説を手に取ってくれて、それが観客動員数1,800万人という映画のベースになったんじゃないかと思っています」と感謝を述べた。

新海誠

 小説を執筆した経緯については、「(リゼロの)長月先生は『誰にも頼まれずに書き始めた』とおっしゃっていましたが、僕は東宝とKADOKAWAから『書いてくれ、書いてくれ』と言われて、半ば脅されるような感じでした(笑)。その説得の時に、先輩の細田守監督が映画と小説の両方を書いているという話を聞いて、自分にもできるかもしれないと、細田監督への対抗心から書きました(笑)」と、冗談を交えながら語った。

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