【劇場アニメレビュー】人数が絞れて見せ場が豊富! 安心してサイリウムを触れる『映画プリキュア ドリームスターズ!』

 特に「桜が原」はCGならではの映像美を駆使して、春の“和”の心を巧みに表現し得ており、なかなかどうして国産CG技術も大したものではないかと、見ているだけで嬉しくなってくるものがある。

 さらには映画プリキュア・シリーズならではの(というか、東映まんがまつり時代からの伝統ともいえる)、観客に向かって応援上映形式も今回は飛躍的に効果を上げている。

 もともと観客にミラクルライトを渡して上映中にフリフリしながらプリキュアたちを応援するというパターンは、07年の第4作『映画Yes!プリキュア5 ~鏡の国のミラクル大冒険!~』から始まったものだが、こちらもここ数作は「クライマックスに採り入れときゃいいよね的」なマンネリ感もなきにしもあらずではあったが、さすがに最近のアニメや特撮ものなどの掛け声上映が定着してきたせいもあってか、今回は上映中時折キャラがドラマから抜け出し、観客に応援を促すタイミングが従来よりバランスよく(しかもそのシーンは3DCGで表現!)、これなら子どもたちも楽しくライトをふってくれることであろう。

 まあ、正直に申すと、劇中もっともっとライトを振ってもらう行為が多くてもいいくらいに思う。10分に1回絡みがあれば後は何をやってもいいというのが日活ロマンポルノならば(本当はそれ以前のピンク映画からしてそうだったのだが)、10分に1回ライトをふらせてこその東映プリキュア映画といった貫録もあっていいように思える。

 ゲストキャラも、シズク役を演じた木村佳乃は幾度かアニメ映画の声優は経験済みだし、何の違和感もなく、エンデングの主題歌も良好。また今回の悪役を南海キャンディーズの山里亮太がやってるが、この人『手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャーTHE MOVIE 忍者・イン・ワンダーランド』(16年)でも敵役を憎々し気に演じていたが、戦隊にプリキュアときたら次は仮面ライダーへの出演も期待したいところ?

 70分という上映時間の配分も今回はバランスよく、最近のオールスターもの(これからはドリームスターものと形容したほうがいいのかな?)の中では出色の出来であった。

 こういった楽しい作品を、お子さん連れで見に行ける、世のお父さんお母さんがうらやましく思える次第である。
(文・増當竜也)

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