定番の「できちゃった」ネタをタラレバはどう料理したのか──ドラマ『東京タラレバ娘』第8話レビュー

 友人であるはずのKEYとリョウの関係も微妙だ。本命の彼女と二番目の香、「どちらも好き」というリョウに、KEYは不信感を感じているように見える。

 そして、ラスト、リョウの元を訪れた香に「行くな。帰れ」と言う。もちろん、香のこれからのことを思って言った言葉だろう。

 なぜKEYは彼女たちを思うのだろう。

 倫子に対してだけならば、かつて結婚していた女性に似ているところがあるということで、好意を抱いているのはわかる。しかし、香に対してそのような感情は無いはずだ。

 倫子の親友ということで、情を感じているのか、それとも、かつて愛する女性を幸せにできなかったことへの贖罪の気持ちなのか。

 香がリョウと別れていた頃、倫子の恋も急展開する。早坂に正直な気持ちを打ち明け、受け入れられたのだ。

「ゆっくりとやっていこう」と言う早坂に倫子は言う。

「私たち、ゆっくりなんてしてる時間無いですから」

 そう、もう30代は時間がない。恋も、仕事も、出産も。

 しかし、その時間と戦いながら、それぞれの幸せを見つけていくのも、また30代の醍醐味なのである。
(文=プレヤード)

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