『劇場版SAO』好調キープで『ラ・ラ・ランド』の背後にピッタリつく! 『きょうのキラ君』、ついに『この世界の片隅に』がランク圏外に……【週末映画興行成績】

2017.02.28

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』公式サイトより。

 2月25日~2月26日分の週末映画興行成績(興行通信社)が発表されたので、今週もオタク目線でお届け。

 今週の1位は初登場の『ラ・ラ・ランド』。週末2日間で動員は29万人、興収4億1,600万円を上げ、最終興収25億円以上が見込めるスタートを切った。第89回アカデミー賞では監督賞、主演女優賞、主題歌賞、作曲賞、撮影賞、美術賞の6部門を受賞。作品賞は『ムーンライト』に持っていかれたが、世紀の大ミスで一度は作品賞を受け取る事態になってしまった。このことは全世界を驚かせたため、下馬評通りすんなり作品賞を受賞していたよりも、ある意味注目されて良かったかも?

 2位は先週首位だった『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』(以下、『劇場版SAO』)。『ラブライブ!The School Idol Movie』『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』といった深夜アニメ発で大ヒットした劇場アニメの初動を超えるロケットスタートを切ったことが話題になったが、公開2週目もその勢いをキープしている。

 同作の主題歌「Catch the Moment」を歌っているLiSAは、2月24日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演。番組内で『SAO』が世界的に人気のアニメと紹介され、さらにLiSAが歌う背後のモニターには『劇場版SAO』の特別映像が流れるという超宣伝に成功していた。しかもこの回の『ミュージックステーション』は、レギュラー放送としては21年ぶりにX JAPANが登場、約19年ぶりのシングルをリリースしたばかりの小沢健二が出演と話題を集めていたので、通常よりも注目度が高かったことが予想される当たり回でもあった。今後のさらなる躍進に期待だ。

 その後、3位は『相棒 劇場版IV首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』、4位は初登場の『トリプルX 再起動』、5位は『一週間フレンズ。』、6位は『サバイバルファミリー』、7位は『君の名は。』、8位は初登場の『素晴らしきかな、人生』、9位は『キセキ あの日のソビト』、10位は『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』と続いた。

 新たに公開されたマンガ『きょうのキラ君』(作:みきもと凜/講談社)の実写映画は残念ながらランキング圏外。中川大志、飯豊まりえという人気上昇中の若手俳優を中心に据え、若者に大人気のロックバンド「Alexandros」が主題歌を担当、そのボーカル&ギター・川上洋平が英語教師役として銀幕デビューと、なかなか話題に富んた1作であったが、厳しいスタートとなった。

「Yahoo! 映画」では3.71点(2月28日現在)と決して評価は低くなく「原作を知らない自分としては大満足」「思っていた以上にストーリーが良かった、ただの恋愛ものじゃないよ」と絶賛の声もあるので、今後口コミでの動員増加は期待できるかも。

 そして15週連続で10位以内をキープしていた『この世界の片隅に』もついに圏外となってしまった。しかし2月26日に開催された「第26回東京スポーツ映画大賞」で同作は作品賞を受賞。審査委員長のビートたけしは、昨今のアニメ映画の躍進を受けて「(実写が)アニメに圧倒的に差をつけられてたな。自分も含めて、役者も監督もちょっと奮起しなきゃいけない」と実写映画界を少し嘆きながらも、アニメ映画を「独特の映像美がある」「こういう映画を見て何が良いかを理解して考えないと」と称賛していた。

 宮崎駿が新作長編に挑もうとしていることも話題になり、日本のアニメ映画はますます盛り上がっていく予感。日本のアニメが『千と千尋の神隠し』以来となる「アカデミー賞」の「長編アニメーション賞」部門を受賞するのもそう遠くはないかも。

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