【モノブライト出口博之の特撮自由帳(9)】

2017年は特撮にとってどんな年になる? ゾルダ復活&『スーパー大戦』に見るサブライダーの復権に注目!!

2017年は特撮にとってどんな年になる? ゾルダ復活&『スーパー大戦』に見るサブライダーの復権に注目!!の画像1モノブライトのベース・出口博之(撮影:松沢雅彦)

 こんにちは、モノブライトのベース、出口です。
 スーパー戦隊シリーズ第40作の記念作となった『動物戦隊ジュウオウジャー』が最終回を迎えました。一年間、その勇姿を追いかけ毎週応援してきたヒーローとのお別れは、毎度のことながら最終回を見終わると胸にポッカリ穴が空いたような寂しさを覚えます。“ジュウオウジャーロス”と言ったところでしょうか。

 しかし、文字通り彗星の如く現れた新ヒーロー『宇宙戦隊キュウレンジャー』のこれまで見られなかったタイプの勢いと革新的な格好良さを目の当たりにし、胸の隙間に入り込んだジュウオウジャーロスは緩和され「ジュウオウジャーには劇場版とか、また会えるしな」とひとりごちるのは、なんともゲンキンと言うか心変わりが早いと言うか、我ながら柔軟な距離感でヒーローを応援している次第であります(放送局はいずれもテレビ朝日系)。

 2016年は日本特撮の歴史を語る上でターニングポイントとなった年でした。前述のスーパー戦隊シリーズが第40作となったことをはじめ、『ウルトラマン』50周年、『シン・ゴジラ』公開、『仮面ライダー』45周年、などなど。日本特撮の始祖であり、現在も特撮の最前線とも言えるシリーズたちの記念周年が同じ年にこれだけ重なるなんて、記憶している限り今まで無かったと思う。偶然そうなった、と言ってしまえばそれまでですが、もっと大きな意味が2016年にはあります。その理由は、どの作品にもアニバーサリーイヤーにありがちな懐古主義ではなく、特撮の未来、特撮のこれからのために大きな楔のような句読点を打つ気概、気迫が感じられたからです。

 言い方を変えると“総決算”であり、以後の作品にとっては、ともすれば悪夢的に高い壁にもなりかねない句読点。そんな意味合いが込められた作品群が乱立した2016年は、特撮史においてある意味終点であり起点になり得る重要な年と言えるです。

 そこで気になるのは、2017年はどうなるんだ、ということ。

2017年は特撮にとってどんな年になる? ゾルダ復活&『スーパー大戦』に見るサブライダーの復権に注目!!の画像2 Vシネマ『スペーススクワッド』公式サイトより

 大きなトピックスとしては、『ウルトラセブン』50周年、Vシネマ『スペーススクワッド』の6月公開(『宇宙刑事ギャバン』『特捜戦隊デカレンジャー』などが登場予定)がすでに発表されていて、今年も特撮ファンにはたまらない話題作が目白押しになりそうです。そんな中、現在個人的に今一番注目しているのは、3月公開になる映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』です。スーパー戦隊シリーズと仮面ライダーシリーズが同一の世界に登場する、まさにヒーローの祭典と言っても過言ではない劇場版シリーズ。公開される度に「過去作品のヒーロー」が新たな形で登場し、もう一度あのヒーローに出会える驚きと喜びがある作品です。

 今作では総勢100名のヒーローが登場することと同時にメインビジュアルも公開されましたが、今回はなかなか興味深いキャスティングになっていて、直近の作品群のヒーローと共に今年10周年を迎える『仮面ライダー電王』(07~08年)と、同じく今年15周年を迎える『仮面ライダー龍騎』(02~03年)を差し置いて、中央に同作のサブライダーである仮面ライダーゾルダの姿が。

 たしかに龍騎本編ではほぼ主人公級のキャラクターではありますが、なぜこの立ち位置に龍騎ではなくゾルダなのか。それは、膨大なアーカイブを再構築することがひとつの方法論として確立した00年代中盤以降のスピンオフ作品(スーパーヒーロー大戦シリーズも含む)などでのいわゆるサブライダーは、本編とは少し離れた立ち位置で多元的な世界観をつなぐ役割を獲得したから。この事象は2017年以降の特撮史において、非常に重要なポイントになり得るのではないかと思うのです。

 ものすごく前置きが長くなりましたが、今回の【特撮自由帳】はゾルダ復活と『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』公開待ちきれない記念として、サブライダーについてを、極論に支配された思考ルーチンで考察したいと思います。いつにも増してあっちこっちにいきそうな考察になりそうですが、お付き合いくださいませ。

2017年は特撮にとってどんな年になる? ゾルダ復活&『スーパー大戦』に見るサブライダーの復権に注目!!のページです。おたぽるは、特撮その他の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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