作画が怪しいけど姉妹が可愛いから許す!『亜人ちゃんは語りたい』第6話「小鳥遊姉妹は争えない」レビュー!

『亜人ちゃんは語りたい』第6話「小鳥遊姉妹は争えない」TVアニメ『亜人ちゃんは語りたい』公式サイトより

 これまでの放送で主要キャラを一通り紹介し終えた『亜人ちゃん』(作:ペトス、講談社/TOKYO MXほか)。今回は事実上のヒロインであるヴァンパイアの女子高生・小鳥遊ひかりと、その双子の妹・ひまりにフォーカスした内容となっている。

 本編の紹介に入る前に触れておきたいのが、OP映像に変化が施されていたこと。亜人「雪女」の生徒・雪が出てくるカットで、背景のスノードーム(を模した飛び出す絵本)がパカッと開く演出が新たに追加されていたのだ。彼女が前回のエピソードで悩みを克服し、鉄男と他の亜人少女たちに心を開くようになったのは記憶に新しいところ。OP演出の変化はそれをさりげなく踏まえているのだ。わずか数秒ながらも気の利いた仕事にまず拍手!

 お話は生物教師・鉄男がひかりとひまりの自宅を訪問したところからスタート。主夫である小鳥遊家の父親と語らう鉄男は、亜人のいる家庭について見識を深めながらも、純粋に生徒への理解を深めることができてうれしい。が、ここでの鉄男は肩幅がありえないほど広い! 帰って来たひかりとのサイズ比もおかしい(鉄男が2メートル以上あるように見える)! 第6話でついに作画が狂っちゃったかー。また鉄男と父親との会話シーンは単調な切り返しカットが続くので、現場は大変なんだろうなーと透けて見えてしまう。

 陽気で落ち着きのないひかりに対し、妹のひまりは礼儀正しくクールでしっかり者。些細なことでガミガミとひかりを叱り付けるが、当のひかりは反省するどころか会話の端々に「血の気が引く」「血が騒ぐ」「血祭りに上げてやる」と血に関する慣用句を挟み込んでおどける。

 激怒したひまりはひかりの特徴的な髪型を掴んで弄り回し……と、2人は延々とバトルを展開する。それを見ていた鉄男は「仲がいいんだなあ」とほっこり。亜人と人間がごく普通に姉妹らしいやり取りをしていることに安堵するのだった。

 ここでの姉妹は他愛のないケンカをしているだけだが、すべてのカットが躍動感に溢れていて可愛らしい。特にひかりが鉄男に「俺はその髪かわいいと思うけど?」と返され、「うわっは!」と奇声を上げて赤面するくだりは最高だ。また原作では1コマのみ登場で台詞もなかった母親が、「亜人の娘を育てること」の苦悩と喜びをそれとなく口にする若干シリアスなシーンも。要所要所で両親の結婚指輪が強調されるカットもあり、「亜人のいる家庭」について思いを馳せてしまう。マジメな作りですね。

 後半。早朝、家を出ようとするひまりを寝坊したひかりが呼び止める。髪の毛のセットを手伝ってほしかったのだが(mの凄く時間がかかるらしい)、ひまりは拒否して先に学校に行ってしまう。愕然とするひかり。

 図書室で鉄男と、姉について会話の中でひまりは今朝の顛末を説明する。それを聞いた鉄男は「鏡に写らないからじゃないか?」と仮説を提示。ヴァンパイアは鏡に写らない。伝承では必ずといっていいほど言及される有名な設定だが、あながちデタラメでもないのでは、だから1人で髪をセットするのは大変なのでは、と。

 ひかりはショックを受ける。姉の亜人としての性質を考えず突き放してしまったことを激しく後悔し、今すぐ謝ろうと校内を探し回る。ここで廊下が唐突にCGになり、ひまりが忍者走りになるのが果てしなく不可解だがひとまず置いておこう。

 ようやくひかりを見つけ出したひまり。だが、「鏡? フツーに写るけど?」とあっさり返され脱力のあまりその場に崩れ落ちる。自分の早合点だと分かって安堵しつつもひまりは気になる。なぜ毎朝のように自分にセットを手伝わせるのか? 問いかけるひまりにひかりは、「ただのズボラでーす!」と即答。激怒したひまりはひかりの特徴的な髪型を掴んで弄り回し(前半のセル画の使い回し)……と、2人はまたしてもバトルを展開するのだった。
 
 日が変わって雨天の放課後。生物準備室に戻った鉄男は、ソファでデュラハンの生徒・京子が寝ているのを発見。起こさぬように彼女に毛布をかけてやり、デスクで仕事を始めるもついうたた寝をしてしまう。目覚めた鉄男は違和感に気付く。京子(の胴体)に頭をナデナデされているのだ。どうしたものか分からず寝たフリを続ける鉄男。そこへひかり・ひまりの父親が突然やって来る。京子(の頭部)との会話を聞く限り、彼女の両親に頼まれて迎えに来たらしい。

常に両手で頭を抱えていなければならない京子にとって、雨の日に一人で歩くのは危険だから、というわけだ。慣れないながらも慎重に京子(の頭部)を抱え、準備室を後にする父親。その様子をこっそりうかがっていた鉄男は、「亜人の親たち」の誠実さに胸を打たれるのだった。

 またしても「亜人=身体障害者」を連想させる、今回一番マジメなこのシーン。色々考えさせられるものの、ひかりの父親の顔がありえないほどデカいので苦笑してしまう。よりによってここで作画が狂っちゃったかー。

 誰もいなくなったので一安心して起きる鉄男。が、隣に京子の胴体が残っていたことに気付き腰を抜かす。困っていると京子(の胴体)はサラサラとメモ書きを始める。鉄男への書き置きだ。
 丁寧に感謝の言葉を綴る京子(の胴体)。語りかけようとして鉄男は黙る。雨の音。筆の音。「たまには語らないのもいいか」と鉄男が京子(の胴体)を温かく見守ったところで後半は終了する。 

 素人目にも分かるほどおかしな作画や効率最優先のカットが頻出した今回。とはいえ小鳥遊姉妹の中睦まじさはひたすらカワイイし、両親の描写は考えさせられる。終盤の京子のくだりは無理矢理突っ込んだ気がしなくもないが、ここは「密度を高めた」と好意的に評価したい。

 ちなみに今回、亜人「サキュバス」の教師・沙希絵さんはわずか1シーンのみ登場。サキュバスの性質と巨乳で鉄男を催淫するだけして即退場してしまうのが残念だったが、次回は彼女が主役なので問題なし。期待して待とう!
(文/JUP-ON STUDIO)

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