『クズの本懐』第5話 3組のエロシーンが訴える「童貞にはわかるまい」という強烈なメッセージ

『クズの本懐』第5話 3組のエロシーンが訴える「童貞にはわかるまい」という強烈なメッセージ『クズの本懐』公式HPより

「アニメ番組で高校生キャラクターの過激なキスシーンがあった。深夜の時間帯ではあったが、誰でもが簡単に視聴できる地上波で放送するような内容ではない。」

 と、名指しこそされなかったものの、天下のBPO様のサイトに批判意見が載ってしまったアニメ『クズの本懐』。しかし、そんな大人の意見もどこ吹く風で今回も、ブチュー!(B!)ペッティング!(P!)おっぱい!(O!)盛りだくさんな第5話でした。

 今回は、情事を終えてひと眠りし、目覚めた主人公・花火(CV:安済知佳)と、えっちゃんこと絵鳩早苗(CV:戸松遥)のベッドでのシーンから。花火は、えっちゃんの寝起きの顔面の美しさに思わず息を飲んだりしています。

 その後、今回の『クズの本懐』では3組の男女のカラミが描かれました。

■カラミその1「麦と中学時代の先輩女子」

 中学時代の家庭教師であり、今は通っている高校の音楽の先生になった茜さん(CV:豊崎愛生)に一途な思いを寄せる麦(CV:島崎信長)。茜は清楚可憐なお嬢さんに見えて、実はとんでもないビッチです。

 それを気付かせてくれたのが、麦の初体験の相手である美巨乳ショートな先輩女子。麦とこの先輩は、いわゆるセフレ関係でした。先輩に連れられて行ったホテル街で、汚いオッサンと寄り添う茜先生を見た麦は、まあ落ち込んだんですが、その後、ヘンなスイッチが入ってしまいました。

 翌日、何食わぬ顔で家庭教師として自宅へやってきた茜に、麦はあざとさを見出します。かわいく見える角度、胸チラさせる浅はかさ……そうした、茜の“女としての計算”を見ているうちに「男がいないと生きていけない、弱くてかわいそうな女の人に思えてきた」んだそうです。で、ますます好きになっちゃったんだって。つまり麦は、ビッチ大好きなビッチマニアだったのです。うん、なかなか歪んでるね。

 そんな過去を思い出している土曜のヒマな午後、なぜか麦は、超久しぶりに先輩を呼び出すことにしました。そしてまんまとやってきた先輩とホテルにしけこみ、一戦交えます。先輩も、童貞だった麦にセックスを仕込んだ責任を感じているようで、さくっと応じました。

 賢者モードの先輩は、麦に言います。

「麦の都合でしたことなかったの、知ってた? だからこれでチャラね」

 なんというか、大人だなーというか、女の人にこんなセリフ言われたことないなーと、すごく思いました。

■カラミその2「花火と麦」

 そういうわけで花火はえっちゃんと、麦は先輩女子とヤッてしまったこともあり、なんとなく距離ができてしまいます。いちおう形だけは彼氏彼女なので屋上で2人きりになったりしますが、以前ほど単純な関係ではありません。以前も「お互い好きな人の代替ね」という単純ではない関係だったのですが、よき相談相手であり、救済相手でもあったはずです。

 花火は思います。

「私はもう、えっちゃんでいいのかな。さみしさを埋めるだけなら、麦はもう必要ないや」
「もういらない」

 そうひとりごちるやいなや、花火は麦のくちびるに吸い付くのでした。

 れろれろれろれろ、れろ、れろれろ。BPOに意見が寄せられたアレです。JKのDKです。

「麦、ほかの人としたでしょ」
「しただろ、花火も」

 わかるんすね。わかるもんなんすかね。なんだか、ほかの人としたことにより、2人ともキスが気持ちよくなってるんだそうです。そのまま麦の部屋になだれこみ、お互いを貪り合います。花火は「最後までして」と言いますが(処女です)、結局、最後まではいたりません。ペッティングどまりです。

■カラミその3「茜先生とお兄ちゃん」

 麦同様、茜先生が大好きなお兄ちゃん。前回、告白した返事をまだもらっていませんでした。

 茜先生はお兄ちゃんのことなんて、まったく好きではありません。一緒に飲みに行くだけ行きますが、退屈で仕方がないご様子で、いつになく痛飲しております。

 そして退屈なままの帰り道、よろけてしまった茜をお兄ちゃんがとっさに抱きとめるのですが、そのときお兄ちゃん、茜を「花ちゃん」と呼んでしまいます。

 これでスイッチが入った茜先生、一気におもしろくなったので、お兄ちゃんにキスしちゃうことに。で、そのままホテルでヤッちゃうことに。茜からすれば、チョロイもんですが、お兄ちゃんは茜がビッチであることをまだ知りません。

 そして翌日、茜先生は前夜セックスした目的を果たすことになります。

 花火と廊下ですれ違いざまに「昨日、鐘井先生(お兄ちゃんのこと)と、しちゃった」と耳打ち。快感。このために生きている。茜、やっぱり相当歪んでいます。

 というわけで、今回カラんだ3組は、いずれも愛し合って結ばれたわけではありません。冒頭の花火とえっちゃんも含め、いずれも「お互い好きだから自然にセックスした」わけではないし、かといってどちらかが強引に進めたわけでもない。

 合意はあるけど、愛はない。でも、裸になるし、キスするし、できることなら挿入射精までする。それだけなら風俗店でのセックスに似ているけれど、お金が介在しているわけでもない。

 我々があんなにしたくてしたくてしたくてしたくてしたくてたまらなかった思春期から青年期のセックスを、究極の生きる目的をですよ。目的としない形で普通に行っているわけです。みなさん。なんか考えてるんです、美女とセックスしてるときに。

 は、意味わかんねーよ!

 だいたい今回も、麦が花火ではなく先輩を呼び出した理由も、麦のことを「もういらない」と思った直後に覆いかぶさる花火の動機も、はっきりと描かれることはありませんでした。曖昧なまま、ただ行為だけが遂行され、ただ関係性だけが変化していきます。

 なんだよ、意味わかんねーんだよ!

 って言いたくなるけど、どこかから聞こえてくるんですよね。天の声がね。「そりゃ、童貞にはわかるまい」と。「いろいろあるんやで」と。「これが人間やで」と……。

 あーあ。どっからやり直せば、こういうの理解できるんすかね。
(文=新越谷ノリヲ)

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