【アニメレビュー】「私を置いて先にいけ」――ダクネス重傷のシリアス回!? 二心同体の会話が面白すぎた『このすば』第5話レビュー

 ダンジョンに赴いた2人は、ダクネス(声:茅野愛衣)の防御力を盾にあっさりダンジョンの奥底にいた騒動の主である仮面の男を発見。男は、魔王軍の幹部でこの世の見通す大悪魔・バニル(声:西田雅一)と名乗り、何でもウィズ(声:堀江由衣)と知り合いらしい。人間の悪感情が大好きなため、人間は殺さないと宣言するこれまたクセが強そうな人物(悪魔?)。逃げようとするカズマを無視して、剣を振りかざして戦いはじめるダクネス! 偶然も重なって珍しく剣がヒット、バニルを倒したかに思われたのだが、実はバニル本体は彼がつけていた仮面。その仮面が油断していたダクネスの体を乗っ取る事態に!

 しかし、どこまでもドMなダクネスは、バニルの精神攻撃にどこまでも耐えるというか、むしろご褒美といわんばかりに歓喜。ここからかやのんと西田さんがダクネスの体を使ってあれやこれやひどいセリフの応酬に笑いが止まらない。二心同体の2人が、ものすごい息が合ったボケ&突っ込みが、すさまじいテンポで繰り広げられていく。これはかやのん、新境地を開いたな……。

なお、ダクネス&バニルがあれやこれや、楽しく会話している間に、カズマは結界を消し去り、目的をサクッと達成。それにしても、こんなに感動を生まない「私を置いて先にいけ」という古典的なセリフってあるんだなぁと感心してしまった。

 バニルに体を乗っ取られたダクネスとともに洞窟を脱出したカズマ。出た瞬間にアクア様が邪悪な気配に反応して問答無用にダクネス&バニルに向けて浄化魔法をぶっ放す。って、アクア様が魔法を撃つ時の構え方はウルトラ格好良かったけど、これ大丈夫なのか(版権関係的に)!? しかも、モブの冒険者たちとダクネスとの戦闘シーンは動きがやたらとよく、あいかわらず変なところに力が入る『このすば』らしいお遊び演出も。

 ほとんどが会話劇で笑いが多かったけど、最終盤はダクネスが、めぐみんに自分に爆裂魔法を撃ちこむように言い、ちょっぴりシリアスに。その言葉通りに爆裂魔法を撃ちこまれたダクネスは、果たして――。

 結果、カズマたちはバニルと戦いを繰り広げたことから、魔王軍のスパイ疑惑が払拭。ダクネスは瀕死の重傷を負いながらも何とか生還し、アクア様の介抱によって復活。しかも、バニルを討伐したことにより12億4000万エリスの借金は完済され4000万エリスをもらえることになり、やっとカズマの苦労が報われる日が来た……のかな? とりあえず、最後の最後にレギュラー(?)の稲田徹さん演じる荒らくれが、格好よく「だがそんな日があってもいい」と、それらしく言ってたけど、あんた何もしてないじゃん!

 この回では、EDまでカット。よくよく考えると、ダンジョンの奥に潜む魔王軍幹部と戦闘、大切な仲間が幹部に乗っ取られ苦悩、仲間の自己犠牲により幹部を討伐し瀕死の重傷、報奨を得て喜ぶ主人公たち……と、書き出してみればOPEDがカットされるのも納得の、冒険ファンタジー作のキーとなる1話であったのだ。『2』は全10話なので、折り返し地点でもあるあし。それをまったく感じさせずにサラリと見せてくれるのが、『このすば』のいいところ。後半、残る5話も楽しみだ。
 (文/ティエリア88)

「この素晴らしい世界に祝福を!2」オープニング・テーマ〜TOMORROW/Machico

「この素晴らしい世界に祝福を!2」オープニング・テーマ〜TOMORROW/Machico

ダクネスフラグが結構立っていたような気もするんですよね

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