“謎の女エロ戦士”J・K・ユリテマンが現れた!『クズの本懐』第4話レビュー!

謎の女エロ戦士J・K・ユリテマンが現れた!『クズの本懐』第4話レビュー!の画像1『クズの本懐』公式HPより

 日常シーンは静止画のパンだけで済ませたりするのに、エロになると糸を引く唾液にやたら枚数を使うことでおなじみの今期ノイタミナ枠『クズの本懐』(フジテレビ系)、前回はJKウブ手コキで大いに盛り上がりましたが、第4話は手マンですよ! しかも百合! J・K・ユリテマン!

 と、そんなとこで盛り上がるのも少々気が引けるような第4話でした。

 前回は、清楚可憐な女教師・茜(CV:豊崎愛生)からビッチ臭というかタバコ臭が漂ってきたところまで。今回はそんな茜先生のモノローグからスタートです。

 電車で隣に男が座ってくることに価値を覚えること。女友だちが片思いしている男子から寄せられる好意が快感であること。ほかの女から男を寝取っても、本命になると冷めてしまうこと。その理由は「この人を魅力ある人だと証明する人がいない」からであること。ほかの女から“搾取”する快感にしか興味がなくなってしまったこと。

 茜は自分自身が好きすぎて、他人を好きになることができない人間なのでした。ビッチはビッチでも、こじらせビッチのようです。ちなみに、仰向けに寝ても形が崩れない美巨乳の持ち主であることも描かれています。

 そんな茜なので、学校の人気者である主人公・花火(CV:安済知佳)が無防備に“お兄ちゃん”こと鐘井先生(CV:野島健児)に「好き好きビーム」を出しているのを発見すると、搾取せずにはいられなくなりました。

「あなたがいけないのよ」「本当に、あなたがいけないのよ」

 茜先生は心の中でつぶやきます。そして音楽室に花火と鐘井先生を別々に呼び出すと、窓際に立って「暑いですねえ」とか言いながら鎖骨に汗をしたたらせるという高等技術でもって、まんまと「好きです!」という熱烈な告白を引き出すのでした。

 もちろん、鐘井先生と付き合いたいわけではありません。ただそのシーンを花火に見せつけ、花火を傷つけたいという欲望に従ったまでです。実にわかりやすく「クズ」です。

 好きな男が目の前でクズ女に籠絡されるところを目の当たりにした花火は落ち込み、いつものように麦(CV:島崎信長)の家を訪れます。いつもなら、“お兄ちゃんの代わり”である麦にぎゅっとしてもらえば気が済む花火ですが、今日という今日は、そういう気にもなりません。麦が本当に思いを寄せるのは茜です。その茜に彼氏ができたかもしれないという事実が、麦をどれだけ傷つけるか……花火は、この日だけは麦に甘えるのをやめたのでした。

 そんな花火を尾行していた女がいました。花火から見れば親友、相手からすれば片思いの愛しい人、という関係の、えっちゃんこと絵鳩早苗(CV:戸松遥)です。

 花火はえっちゃんの好意につけ込む形で、普段なら麦にしてもらうことをえっちゃんにしてもらうことにしました。えっちゃんもまた、花火の寂しさにつけ込む形で「お兄ちゃんの代わりの代わり」という立場をゲットすることにしたようです。

 そうして2人は、お互いの思いを利用しながら、お互いの心のすき間の半分くらいを埋め合ったのです。どうしたってこんな関係じゃ、残りの半分は埋まらないということを自覚しながら、熱を与え合ったのでした。実に切なくて、いいシーンでした。J・K・ユリテマン! なんて言ってるテンションじゃないです。

 でもね、これはこれでエロいのよね。なんというか、芯からエロい。笑えないエロさというか、すごく深刻に、真剣に、オナニーがしたくなりました。

 花火は自分がえっちゃんの気持ちを利用して手慰みものとしたことを、はっきりと自覚しています。それが、あの憎き茜と同じ「クズ」な行為であることも。

 茜はもう、花火への敵意を隠そうともしません。

「憧れな人と付き合えそうにないから、手近な同級生で済ませてるのかな?」
「まあ、その2人とも、好きなのは私なんだけど」

 面と向かって花火にそう告げて、ペロリと舌を出して見せます。

 茜は、好きでもない男に向けられる好意を「こんなに気持ちいいものなんでない」と言います。第1話で花火はそれを「あんなに気持ち悪いものなんてない」と言っていました。正反対の2人。でも、茜も花火もお互いを「同じ」だと思っているのです。

 今回、茜という明確な輪郭を持った「クズ」が描かれたことで、この作品はだいぶ見やすくなったと思います。

 花火が茜と同種の「クズ」だとすれば、3話までの花火の行動原理が読みにくかったことにも説明がつきます。花火は意図的に「輪郭のぼやけたクズ」として描かれていたということです。

『クズの本懐』に得も言われぬリアリティを感じるのは、そういうところなんだと思うんです。登場人物自身が整理できていない感情は、整理できていないまま描いてしまっている。ただ未熟な人物が未熟なまま「そこにいて、これをした」ということだけしか描かれないので、意味不明で、不気味で、魅力的なんだと思うんです。モノローグとダイアローグ、カットバックとテロップ、いろんな演出を複雑に絡ませながら、花火という女のコをキャラクターではなく実存として浮かび上がらせようとしている感じ。

 あんまりアニメで欲情することのない筆者ですが、次回以降は実存としての花火を感じながら、深刻なオナニーができそうです。はい。
(文=新越谷ノリヲ)

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