生きたトンボが操縦可能に! 注目を浴びる“バイオドローン”技術

■ミツバチの受粉行動をプログラムできる可能性

 生物をコントロール可能なサイボーグにする試みは、もちろんこれが初めてではない。ラジオコントロールが可能なゴキブリの研究も着々と進められており、災害現場など人間が入り込めない場所での捜索活動などが期待されている。また アメリカ海軍は、鋭い嗅覚を持つバッタの脳にセンサーを埋めこみ、爆発物を検知するシステムの開発に着手している。

 ゴキブリやバッタと同じく、今回のトンボのサイボーグ(トンボーグ!?)もさまざまな用途で活躍が期待できそうだ。

 例えば現在、ミツバチの総数が減少していると言われ、その結果ミツバチが媒介となって受粉しているイチゴ、リンゴ、オレンジ、玉ねぎ、ニンジンなどの農作物の生産が一部で徐々に困難になっているという。これを「DragonflEye」の技術でミツバチをコントロールすることで、より効果的に受粉できるのではないかと考えらえている。

 その一方、軍事での活用も期待されている。それはきわめて気づかれ難い情報収集・偵察活動任務である。これが民生技術に転用されれば、部屋に入り込んでくる盗聴・盗撮器として使われることがあるのかもしれない。ネガティブなことにも活用できてしまうのは、ハイテク技術の諸刃の剣ということだろうか。

 こうした“昆虫サイボーグ”の開発に諸手を挙げて賛成できない点もある。それは動物虐待に抵触する可能性だ。昆虫であればまだ社会の拒否反応は少ないとも言えそうだが、かつて中国で発表された“鳥サイボーグ”については、動物愛護の観点から異議を唱える声が少なくなかったという。

 しかしながら、この技術の核となる光遺伝学の研究は、医療分野での応用も期待されていることから、さらなる研究開発を後押しするべきだという意見も多く、現にこうして各種の研究開発は進んでいる。ドローン開発に注目が集まる昨今だが、この“バイオドローン”の動向からも目が離せないようだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・New Atlas
http://newatlas.com/cyborg-dragonfly-optrode/47625/

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