声優誌レビュー「Pick-up Voice」2017年3月号

表紙のデザインもそのまま! 音楽専科社破産から休刊状態だった「Pick-up Voice」が復活!

――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

表紙のデザインもそのまま! 音楽専科社破産から休刊状態だった「Pick-up Voice」が復活!の画像1「Pick-up Voice」(EMTG)2017年3月号

「Pick-up Voice」2017年3月号(vol.108)
出版社…EMTG
発売日…1月26日
価格……1139円+税
創刊……2007年

「Pick-up Voice」復活! 2016年9月、音楽専科社の破産によって休刊状態だった「Pick-up Voice」が、新体制のもと再スタートをきることとなった。

 新たな出版社はEMTG株式会社。音楽アーティストのファンサイトやチケット販売サイトの運営をメインとする企業で、「音楽ネタに強い『Pick-up Voice』」にとって願ってもない相手と言える。破産後の2016年10月末、編集部は辰巳出版から「声優Pick-up Actor」を発売しているが、これは本当に一時的な救済措置だったということか。

 4カ月振りに刊行された「Pick-up Voice」だが、表紙デザインは以前とまったく変わらない。新たな受け入れ先として、版元としては表紙もリニューアルを……などと口を挟みたくなるところだが、結果としては長年愛されてきた表紙デザインを継続。これがEMTGの懐の深さか、はたまた出版・編集ノウハウの乏しさからくるのかは不明だが、愛読者たちには嬉しい配慮だろう。

 今号の表表紙・巻頭大特集は小野大輔鈴村健一森久保祥太郎寺島拓篤が登場。年末恒例イベント“おれパラ”(Original Entertainment Paradise -おれパラ- ~IX’mas Magic~)のライブレポート&インタビューを掲載し、裏表紙・巻末大特集では2月に初のMV集をリリースするpetit milady(悠木碧、竹達彩奈)が飾っている。

 ほかには、ニューシングルをリリースする福山潤や沼倉愛美、ニューアルバムをリリースする楠田亜衣奈や岡本信彦など、声優の音楽活動を中心に掲載する構成も以前と同じ。そのなかで気になったのは、ミニアルバム『FULL Kabs~伝説(レジェンド)には未だ早い!~』を発売した「FULL Kabs」なるユニットだ。

 FULL Kabsとは水島裕井上和彦三ツ矢雄二というベテラン声優3名によるユニットで、由来は文字通り「古株」から。ユニット名を決める際の相談相手が戸田恵子だった……というあたり、ベテランらしい豪華な交友関係もうかがえる。

 収録曲は『サイボーグ009』OPの「誰がために」や『キャンディ♥キャンディ』OPの「キャンディ・キャンディ」、『タッチ』の「タッチ」など、彼らの出演作を中心とした珠玉の計7曲。往年のファンはもちろん、若いファンも新鮮な気持ちで楽しめる一枚となっていて、ミニアルバムながら強気価格の2,700円(税込)も納得だ。

 声優の音楽活動というと、若手のアイドル然とした人気声優が主流ですが、彼らのような古株組の活動もうれしいものですね。

 さて、晴れて復刊を果たした「Pick-up Voice」だが、しばらくはムック版として発売されるとのこと。しかし、いずれは定期刊行化を目指し、次号の発売も以前と同じ月刊ペースだ。再びの定期刊行を祈るとともに、まずは復刊、本当におめでとうございました!
(文/神楽坂隆)

Pick-upVoice Vol.108

Pick-upVoice Vol.108

復活おめでとうございました

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