『ハイブリッド・ガールフレンド』(まる寝子) なんでそんな水着なんだ! 気鋭の作家が描くTSFの新たな希望(全年齢) 

 女体化ジャンルの星(という人は複数存在する)である、まる寝子氏が、まさかの全年齢向け作品で攻めてきた。幻冬舎から刊行された『ハイブリッド●(♂♀を合わせたマーク)ガールフレンド』が、それである。

 まずタイトルは謎だ。表紙や背には確かに『ハイブリッド●(♂♀を合わせたマーク)』と書いてあるが、奥付やネットでの表記は『ハイブリッド・ガールフレンド』とされている。

 まあ、そんなことはどうでもよい。問題は中身である。

 今回の作品は、全年齢。まる寝子氏といえば、これまで数々のTSF作品を中心に、活躍してきた人物。もともとは、ふたなりものや一般作も描いていて(初単行本『ツイてる娘』を参照すべし)間口の広い作風である。

 凌辱からラブイチャまでをこなす、まる寝子氏であるが、作風の妙技は、どこかトボけたテンションを導入してくること。18禁作品でもギャグシーンや妙なスターシステム(いつも、クラスメイトに同じ顔のキモヲタ風キャラがいたりする……もちろん、今回も)で、ちゃんと物語として楽しませつつ、興奮させてくれた。

 そして、全年齢となった今回の作品では、本番シーンを取り除き、絶妙なエロシーンでキュンキュンと攻めてくるのだ。

 物語の主人公・雅人は治療の結果。女の子になってしまった。そんな身体に悩んでいたところ、同じ病気を抱える幼なじみの栞は、股間だけが男の子になっていた。かくて、女の子の身体に戸惑いつつも、雅人で勃起してしまう女の子との学園ライフが始まるというわけである。

 この学園ライフだが、ハプニングが、まるで夢のようなモノばかり。まず、女の子になった雅人の身体は、なぜか日に日にオッパイが成長していく。対して、栞の股間は、信じられないほど敏感で、雅人のちょっとした仕草でフル勃起してしまうのだ。しかも、全年齢作品ゆえに、フル勃起の結果は、貧血で倒れるだとかで、ハプニングにつぐハプニング。

 毎回、そんなライトエロスのハプニングで攻めるかと思いきや、まる寝子氏のワールドが炸裂するのが、海水浴回。クラスの仲間たちと海に来たはよいけど、なぜか雅人の水着は、お店の人が選んだブラジル水着(紐みたいなアレ)だったのである。

「攻めてるな!」と感慨深げにハイテンションなクラスメイトたちだけど、この力技のサービスカットには、驚くしかないだろう。

 第一巻では、そんなハイテンションのままで、学園の文化祭の季節までが描かれている。

 もともとストーリーテーリングは手堅い、まる寝子氏だけど、掲載誌がウェブの「デンシバーズ」であることに合わせて、一話できちんと満足度のあるサービスカットを挿入して、楽しんでもらおうという親切さに満ちあふれている。

 こうしてスキルを高めて、さらに18禁でも素敵な作品を描いて欲しいと期待している。
(文=ピーラー・ホラ)

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