「パックマンの父」よ、永遠なれ──『ゲームセンターあらし』が描いた『パックマン』の伝説と衝撃

■地獄で鬼と対決 第6巻「天国を救え!」

 ゲーム大会中に突然、死亡したあらし。霊魂を迎えに来た天使によると、神様が地獄のエンマ大王にテレビゲームに負けて天国を取られそうだから、あらしにゲームでエンマに勝ち、天国を取り返してほしいとのこと。

 三途の川で、おばけうなぎをギャラクシアン(これもナムコ)で倒した後、巨大な地獄の門を通るため、その門に設置された特大画面のパックマンで、門番の大鬼と対決する。あらし側の画面のモンスターは鬼の顔、鬼側のモンスターはあらしの顔だ。

 うちでの小づちで大きくなったあらしに対し、鬼は金棒をぶん回し、叩きつけてレバーを操作する、その名も「秘技 鬼に金棒~っ!」で攻撃。しかし、納豆を投げつけ鬼が弱った隙に(節分の理論)、あらしは必殺技「真空ハリケーン撃ち」でパワーエサを一気に四つ食べ鬼を撃破。

 その際、あらしのパックマンは、口からあらしのシンボルである出っ歯が生てくるという無双ぶりだった。

■おっぱいでレバーを操作! 第6巻「あらし最大の弱点は!?」

 あらしが打ち出した街中のゲーム機の最高得点が、謎の人物にことごとく破られた。

 その名も「文部省推薦のゲーム戦士 インベーダーウーマン」。インベーダーマークの覆面に、モンペに長靴、そしてやけに豊満な胸と豊満なボディ。ゲームばかりして勉強しない悪い子を懲らしめるらしい。電脳ナマハゲといったところか。

 児童公園での金網デスマッチで、『パックマン』で対決をすることになるが、狭い金網の中で必殺技が繰り出せず苦戦するあらし。

 しかも、よく見るとインベーダーウーマンはまったく手を使っていない。巨大なおっぱいを生き物のように揺さぶり、レバーに叩きつけて操作する必殺技「ノーブラボイン撃ち」だ。

 まるで寄生獣のそれのように変幻自在にボインを操るインベーダーウーマン。

 さらに乳房を交差させて撃つ「ノーブラボイン撃ちクロスアタック!」で、あらしを苦しめる。

 しかしあらしは、金網を出っ歯で切り裂き、必殺技を繰り出す。

 なんとか辛勝したあらしだったが、その正体が息子のためを思い行動した実の母親だったと気付き、ひとり涙を流すのだった。というまさかの、いい話。

 * * *

「パックマンの父」こと中村氏が「ノーブラボイン撃ちパックマン」を見たら、どう思ったのか。現実だけでなく漫画の中でも我々を楽しませてくれた『パックマン』。中村氏のご冥福をお祈りしたい。
(文=西瓜一)

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