堀之内 すいません、普段話せる機会もないんで(笑)。で、このマスクに紗がかかっているじゃないですか。この紗をサターン役の冴場さんが監督さんに内緒で取ってしまって、自分の顔が見えるようにマスクを改造した、というエピソードがあったり、今では多くの作品で定番のシーンなんですが、やられたときにマスクをとって、顔を見える状態にするというのを初めてやったのがマーズ役を演じていた塩谷(庄吾)さんだったんですよ。もうお亡くなりになってしまったんですが……すごい特撮マニアの方で、マスクを自分で作ったりもしていたらしいんですよ!
出口 すごい愛が詰まっているというか。実は作っている人たちと演じている人たちと垣根が低いんだよね、当時は。
堀之内 そうなんですよ。また舞台が99年から00年という設定で。我々はもう00年を経験していてCD-Rを知っているわけですけど、作中ではフロッピーだったり。
一同笑
出口 ああ、そこは予測できなかったんだ(笑)。
堀之内 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを見ている気分で楽しめますよ。
出口 俺が『サイバーコップ』で面白いなと思うのが、88年前後って刑事ドラマが一挙に出てきた時代で。『あぶない刑事』シリーズ(86年~)とか、『君の瞳をタイホする』(88年)とか。警察のお仕事だけじゃなくて、ナンパと合コンシーンを描いたり、ある意味トレンディドラマの源流みたいな部分もあって、そういった時代の雰囲気は、特撮にも影響を与えていたんだろうなと。あと、当時見ていて驚いたのが、第1話でライブやってんじゃん。
キランキランな衣装を着て、急にライブシーンから始まって。「緊急出動!」なんて呼び出しがかかってね。曲の途中で出動していくんですよ。
堀之内 で、戻ってきたらライブハウスでジュピターが一人でがドラムを叩いていて。すごい上手いんですけど、もちろん音と手の動きは合っていないという(笑)。サイバーコップは事件が無いときはメンバーでバンド活動をしているところも推せますよね(笑)。
でも、こうやって幼少期に好きだったヒーローって、何だかんだ今の自分にリンクしてくるんですよ……だいぶ強引に結びつけましたけど。自分がバンドをやっていることも、イエローライオンと同じ事務所になったことも、きっと自分が見ていたヒーローになりたいという願望が体のどこかにあったからで、結局、何をやるにも「こんなんじゃサターンやイエローライオンに近づけない。」とか思いながら頑張っていたと思うし、落とし込むのはいつもそこなのかなと思うんですよ。自分の仕事にしても何にしても。
出口 絶対、どこかしらに影響は出るよね……でも『サイバーコップ』の影響下にあるというのは、何かいいなぁ(笑)。
『ライブマン』『サイバーコップ』……Base Ball Bear・堀之内大介×モノブライト・出口博之の“最後の昭和、1988年の素晴らしき特撮”対談!のページです。おたぽるは、人気連載、特撮、その他、モノブライト、モノブライト出口博之の特撮自由帳、Base Ball Bear、機動戦士SDガンダム、超獣戦隊ライブマン、電脳警察サイバーコップ、堀之内大介の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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