可愛いを通り越して、若干ではない本気のヤバさを感じてしまうヒロイン。こんなヒロインとお近づきになりたいかといえば、全力でNOを叩きつけてやります。
海月れおな『ポンコツツンデレな幼馴染』(講談社)は、そんなとんでもないヒロインが織りなす日々のトラブルを描く作品。あくまでギャグマンガです。作者もギャグマンガとして描いているのだとは思いますけれど、それでは済まないヤバさを感じます。
物語の主人公・翔太は高校入学を機に、幼い頃に住んでいた父親の実家に引っ越して来ます。しばし空き家になっていた実家で、初めての一人暮らしにワクワクしながら、懐かしさも感じる翔太。
そこで思い出すのは、保育園の頃に仲のよかった、ちょっとドジな隣に暮らす女の子・早菜恵のこと。さっそく再会した早菜恵は、すっごく綺麗な女の子に成長していました。成長はしていたんですけど、いまだにおねしょ癖は治っていませんでした。
早菜恵いわく、保育園の時に翔太がポンコツっぷりが可愛いといったため、ずっと治さずにきたのだといいます。つまり、可愛く成長してはいるのだけれど、中身は保育園児のまんまというワケ。若干の責任を感じながらも、ドン引きするしかありません。
こうして、同じ高校、同じクラスとなって生活が始まるのですけど、ガチで早菜恵がヤバ過ぎます。
だいたい人間というものは、親の躾けとか、痛みを感じたりすることで、やっていいこと悪いこと、生活習慣などを身につけていくわけです。でも、早菜恵はガチで人間としての成長が幼児期で止まったまま。どう見ても、立ち振る舞いがヤバいのです。
とりわけ、ヤバさを感じるのは高校での昼食シーン。ここでは、早菜恵が翔太に弁当を作ってきたと称して、ビニール袋に入れた、お茶漬けを渡すというシーンが描かれます。それもヤバいのですが、続くシーンでなにもツッコミなく描かれている早菜恵の食事風景。
ここで、早菜恵が握り箸でミートボールに箸を刺して食べているのですよ!
そう、もはや早菜恵がポンコツなんてレベルを超えて圧倒的に「育ちが悪い」のです。
ほかにも、お菓子を好きなだけ両手にいっぱい取るとか、圧倒的な「育ちの悪さ」を見せつけてきます。おまけに、靴紐を結ぶことができないっていう、さらに最悪なシーンまで。
ここまでくると、単に「育ちが悪い」だけでは済まされない。親の躾けもあるでしょうけど、何かの障害を抱えているとしか思えないわけです。朝、翔太を起こそうとして、小石ではなくこぶし大の石を窓に叩きつけるシーンなんて、それを示す典型的なシーンでしょう。
こんな風に、この作品はページをめくるごとにギャグを超えて「見てはならないものを見た」という、ウンザリするような恐怖を与えてくれます。
もう、ぶっちゃけて記しますけど、これポンコツなんじゃなくて発達障害ですよね?
この早菜恵のヤバさに、小学校、中学校と親や教師は気づかなかったのか。
最近では、様々な療育のシステムが存在するわけですけど、これはない! きっと、親も同じなのでしょう。
早菜恵本人も、改善する様子が乏しい中、翔太には全力で逃げるか、相手をするかの決断が迫られているような気がします。
(文=ピーラー・ホラ)
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