そう、栄光の後にタイトル通り「栄光なき天才」となってしまった顛末が描かれるのだが、物語は「『栄光なき天才たち・鈴木商店』双日特別版は、こちらで終了となります」と、予想外の打ち切りになってしまているからである。
ナンダ、コレは……と、驚きながらサイトの下部を見てみると「載された全てを掲載してはおりません。ご了承ください」と、連載当時を知る読者の怒りを、最初からわかっていたかのような断り書きが。
本編では、この後、大戦の終了と共に好況が終焉。さらに米騒動を経て、昭和恐慌に飲み込まれる形で鈴木商店は倒産へと至るまでのドラマが克明に描かれていた。
だが、そこは会社にとっては、なかったことにしたい部分であろう。なぜなら、倒産を前に、もう鈴木商店には先がないことを見切った高畑誠一が密かに社員に声をかけ、破綻後に設立した新会社が日商、双日となったことが描かれているからである。
実業家としては評価すべき「見切り千両」の場面だけれども、読み方によっては会社を裏切ったと、とれなくもない。さすがに、そこまでを自社の歴史として公開してしまうのは、ためらいがあったのか?
だったら、こんなサイトにしなければよかったのに……。幻の名作に再会した喜びが、一転裏切られた気分になった新年である。
(文=昼間たかし)
■双日 神戸開港150年 特別サイト
http://sp.sojitz.com/kobe150/
「黒歴史」は抹消? 双日の神戸開港150年記念サイトで復刻されたマンガ『栄光なき天才たち』の改変が酷い!のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ、出版業界事情、昼間たかし、伊藤智義、双日、栄光なき天才たち、森田信吾の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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