【劇場アニメレビュー】ついにとうとうようやく『傷物語』完結! でもやっぱり思う「3部作の必要はあったのか?」

<物語>シリーズの主人公である高校生・阿良々木暦(声:神谷浩史)が瀕死の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(せっかくなので正確な名前を記してみました。声:坂本真綾)を救おうとして、結果、吸血鬼もどきの人間と化してしまうまでを、それまでのものと比べて作画などの趣向を変え、また劇場用映画だからこそ可能な残酷表現なども成し得ながら悪夢的世界観を描出すべく腐心しているのはよくわかる。

 ただし、新房昭之総監督&尾石達也監督による独自の映像テクニックの数々はテレビであれば、ほどよく映えるものの、意外やこの3部作に関しては、映画館の銀幕大画面だとやや過剰に感じられ、そのうち見飽きてしまうところもある。

 一方、その過剰な映像センスの割にストーリー展開は3作品通してまだるっこく、なるほど、これでは2時間強の長編1本でまとめてくれたほうがテンポよく仕上がったのではないかという原作ファンの声に同意せざるを得ないものもあるのだ。

 今回の人間側のヒロインとなる女子高生・羽川翼(声:堀江由衣)の存在も、原作通りとはいえ、どこかもどかしい。彼女のおっぱいにまつわる下ネタの数々が、ある意味エロいブレイク・タイムになっていればよいのだが、これまたどうにも間延びしてしまっており、作品の大きな魅力になり損ねている。

 そもそも自己犠牲の精神なのか単なる自己満足なのか定かではない羽川のキャラクター自体、どこか浮世離れしていて、しかしながらそれがまた妙に堀江由衣の声とピタリはまってしまっているので、どうにも不可思議な想いに囚われてしまうのだが、これに比べるとキスショットの言動は意外にリアルに受け止められるものがあるので、これまたモゾモゾした気分になってしまう。

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