鎧をかぶった人型で登場するが、映画ではエイリアンのような姿に変更され、ジャスティス・リーグが2部作であることを考えると、多くのヒーローに時間を割り振るため、出番が少ないかもしれない。「誰?」という印象のまま、上映時間が終わってしまうことが危惧される。
続いて「ダークすぎる展開が望まれていない」だが、制作側が『バットマンVSスーパーマン』から学んだことは「観客はスーパーヒーローたちの解体を望んでいない」ということだったという。
ストーリーの中で、重要なパートを『バットマンVSスーパーマン』ではダークに描いており、重すぎてスカっとすることが少なかったため、集客では若い世代を逃した。原作コミックの『バットマンリターンズ』を元にした映画だったこともあるが、あまりにダークな展開は賛否が分かれるところだ。
ただ、ダークすぎる展開が、客足を遠ざけるのは間違いない。先の『バットマンVSスーパーマン』の轍を踏まないよう『ジャスティス・リーグ』は、若い層にアピールしていく作品を予定しているという。新登場するフラッシュが明るいキャラクターとして、作品を照らしてくれるとか。
そして「バカにされすぎるバットマンが拝めない」。原作の『ジャスティス・リーグ』で登場する強力なヒーロー・グリーンランタンは重要なポジションだが、いまだに映画版に出るのか出ないのか発表されていない。
原作では「飛行能力はないのか?」「怪力とかは?」「ちょっとまてよ。コウモリの仮装しているただの男か?」と、スーパーパワーを持たないバットマンをこき下ろすシーンがある。
めちゃくちゃなスーパーパワーを持つ怪人たちが勢揃いする同作品では、めちゃくちゃにただ強いだけの中年バットマンだけが浮いている。そこをあえてディスるグリーンランタンが拝めない映画化となれば、アメコミ史に残る損失と言ってもいい。
かなり個人的な意見になってしまったが、いずれにせよぜひ見てほしい。アメコミに詳しくない人を誘うなら『DC版アベンジャーズ』と紹介したほうが入りやすいだろう。
『ジャスティス・リーグ』が発表されたのは、なんと1960年。『アベンジャーズ』が登場したのは1963年なので、『アベンジャーズ』は『ジャスティス・リーグ』に対抗して作られたチームだといえる。ちなみに、『アベンジャーズ』のメンバーのチグハグ感が強いのは、『ジャスティス・リーグ』の成功を受けたマーベルが焦って急遽作り上げたために、寄せ集め感が強くなったといわれている。
全米では、今年11月17日公開予定。国内では、同じく今冬に公開が予定されている。
(文=大野なおと)
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