「ドアをノックするのは誰だ?」日本中を巻き込んだ『逃げ恥』旋風を考える

1612_nigeruga.jpg火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』公式サイトより。

 今期ドラマの台風の目ともいえる、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)が20日、最終回を迎えた。10月11日の第1話以降、回を追うごとに視聴率も上がり、最終回は20.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。

 以前の記事で、このドラマはファンタジーだと書いた(記事参照)。

 一方、ドラマに関し「ムズキュン」というワードが話題となった。これは「二人の恋愛がなかなか進展せず、ムズムズするところに胸キュンする」という意味らしい。

 しかし、残念ながら私は「ムズキュン」を感じることはなかった。だってこの二人、我々のような「プロの独身」から見たら、信じられないくらいサクサクと関係を進めている。

 だからといって、「所詮ドラマの中の話だよな」と距離を置いて見るわけでもない。なぜなら、そこには確かな迷いと整然とした理論が描かれているから。その迷いでこじれた糸を、計算によって紐解いていく。そこが快感なのだ。

 これを「ムズキュン」と感じる人は、これよりも早いスピードで恋をしている人なのだろう。大雑把なくくりではあるが「リア充」と言っていいと思う。つまり、このドラマは、リア充よりはゆっくりと、非リア充よりはテンポよく、という絶妙なスピードで二人の関係ができあがっていく仕組みなのだ。

 最終回のテーマの一つは「ドアノック」だった。

 みくり(新垣結衣)から「家事をボランティアにする」という案を聞かされた平匡(星野源)は、これまで何度も自分の心のドアをノックしてくれたみくりのことを思い返す。そして、浴室へと閉じこもってしまったみくりに出てきてもらうため、文字通りドアをノックするのだ。

 これは、ドラマ全体を通した象徴的なシーンだったと思う。

 これまでも、番組が始まると、私のTwitterのタイムラインは、ドラマの感想がたくさん流れてきた。もちろん、私がフォローしているのは、私と感性が似ているような人たちだから、「俺もみくりにハグされたい」「前に進めない平匡の気持わかる」といったものが多い。つまりこのドラマは、今まで現実の恋愛に積極的になれなかった人たちの心のドアを“ノック”したということになる。

恋 (通常盤)

恋 (通常盤)

これを踊る石田さんもかわいかった

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