織物職人が“堕ちた”アイドルヲタクの世界とは? 話題の映画『堕ちる』レビュー

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 上映後のアフタートークで「アイドルファンが多い回と映画ファンが多い回では、笑いの起きるシーンが違う」との話があったが、それも納得である。逆に言えば、この映画はそのどちらが見てもそれぞれの楽しみ方ができるということなのだ。

 もちろん、この映画を極上のエンタテイメントたらしめているのは、そればかりではない。主人公を演じた中村まことの存在感が素晴らしい。セリフはほとんどなく、微妙な表情や醸し出す雰囲気で、アイドルに堕ちていく心情をみごとに表現している。

 そして、もう一人の重要な役、彼が心を奪われてしまうアイドル「めめたん」を演じた錦織めぐみ。彼女の、いい意味で距離の近いアイドル感、そしてファンの心を惹きつける小悪魔っぷりが実にいい。

 それもそのはず、彼女は「Luce Twinkle Wink☆」というグループで活動する現役のアイドルなのだ。この映画が広まっていけば、間違いなく彼女のユニットも有名になっていくのではないかと思われる。

 そして、もう一つ、この映画で重要なファクターだと感じたのが、使われている音楽である。バックに流れる軽快な音楽が、各シーンをテンポよくつなぎ、要所要所の面白さのアクセントとなっている。また、めめたんが歌っているアイドルソングも、映画のために作られたものとのことで、実に良質なアイドルポップスとなっている。

 今回の上映もSOLDOUTとなったようだが、各方面からの反響も大きいようで、海外の映画祭への出品も視野に入れているとのこと。

 日本の“かわいい”文化がワールドワイドになっていることを考えると、外国で評価を受ける可能性も十分にあると思う。

 確かに題材は今の日本にあるものではあるが、人でもモノでも、何かを好きになりハマっていく過程というのは、普遍的なものであると思う。

 アイドルが好きな人は、自分がそれに堕ちていった頃のことを思い出して、そうでない方は何かに夢中になっていたことを追体験するようにして、この映画を見れば、きっと楽しめること請け合いである。

 そう、何かに“堕ちる”こと。それはとてもワクワクして、心地いい感覚なのだ。その対象が何であれ、そういう思いができることが幸せなことなのだ。
(文=プレヤード)

■映画『堕ちる』上映予定
タイトル:映画『堕ちる』再再アンコール上映会+アイドルが語る『堕ちる』座談会!
トークゲスト:姫乃たま、絵恋ちゃん、erica(エレクトリックリボン)、たいが(アトランティス城)
日時:2017年1月19日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
場所:LOFT9 Shibuya
前売¥1,500 / 当日¥1,800(税込・要1オーダー500円以上)

1st Love Story<通常盤Aタイプ>

1st Love Story<通常盤Aタイプ>

めめたんはトゥインクルイエロー担当

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