話題作『人間仮免中』から4年── 『人間仮免中つづき』異端の表現者・卯月妙子が描き出す“究極の愛の姿”とは?

 本当に強い人というのはどんな人なのだろう。時々そんなことを考える。

 一般的には、健康な心と体を持ち、困難や不幸にも負けず、自分の人生を切り開いていく、そんな人が想像されるだろう。

 もちろん、そんな“強さ”も否定するつもりはない。

 しかし、卯月妙子の壮絶な人生に触れると、本当にそれだけが“強い”ということなのだろうかと考えてしまう。

 12月12日に発売された卯月妙子の漫画『人間仮免中つづき』(小学館)が話題だ。

 作者であり、この作品の主人公でもある卯月妙子は、1971年生まれ、岩手県宮古市の出身。20才で結婚後、夫の借金返済のためAVの世界に入り、いわゆる“企画もの”での過激な作品で人気を集めた。

 それと平行してコミックエッセイという形でその実情を描いた漫画を発表し、マニアの間で話題となった。

 しかし、私生活では、夫が投身自殺、意識が戻らないまま介護を続けるも、1年半後に他界。自身も若くから患っていた統合失調症に苦しめられ、何度も自殺未遂と入退院を繰り返す。演劇などにも取り組み、表現者としての活動の幅を広げたが、その後ストリップをやっていた時に、舞台上で自らの首を切り、救急車で搬送、3日間意識不明になるも一命をとりとめるという経験もしている。

 2012年に発売された、『人間仮免中』(イースト・プレス)では、25歳年上の日本人・ボビーとの恋愛、そして、歩道橋から投身自殺を図り、顔面を粉砕骨折、右目を失明するという状況の中、襲いかかる幻覚と幻聴、退院後の生活などを赤裸々に綴り、『本の雑誌』(本の雑誌社)が選ぶ2012年度ベストテン第1位、「THE BEST MANGA 2013このマンガを読め!」第2位などに選ばれ、大きな反響を呼んだ。

 その本から4年半を経て、その後日談が描かれたのが、この『人間仮免中つづき』だ。

 卯月妙子は、北海道の障害者施設に入ることになり、ボビーとは5年間離れて暮らしたという。そして5年後、2人が再会し、北海道で一緒に暮らし始めたところから物語ははじまる。

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