きり(長澤まさみ)、予想以上のガッツリキスでついに報われる! 名言「黙れ、小童!」も飛び出した『真田丸』第49話「前夜」レビュー!!

まず家康がテンプレどおりの悪役ではなく、豊臣家をつぶすことに少し罪悪感を持っているように描かれていたのは、丁寧だなと思う。そういえば北条家に降伏を促すシーンでも寂しそうにしていたし、結構感傷的というか、敵を認める部分がある人物として、ちゃんと以前から描かれていたのだ。上杉景勝(遠藤憲一)と家康の会食シーンは、味わい深かったし、景勝の幸村への思いも伝わる

 一方でその息子、秀忠(星野源)が豊臣を潰す! と断固たる態度を見せ、将軍として威厳を示したのもシーンも良かった。真田家を主役に据えた創作物では、相手役の徳川家をどうしても悪逆非道に描きがちになってしまいそうなものだが、『真田丸』にはそういう面が少なかったのは、歴史ドラマとして優れたところではないだろうか。

 徳川家でいえば、本多正信(近藤正臣)の哀川又兵衛を陥れる策略もすごかった。正信は史実によると1616年に68歳(諸説あるようだが)で亡くなっている。もういい加減おじいちゃんだし、「大坂の陣」の際には歩行も困難というレベルだったようだが、物語序盤~中盤で登場した武将たちがどんどん姿を消していく中、頼もしい活躍ぶりだった。物語序盤といえば、合戦シーンはともかく日常シーンで活躍してきた今野浩喜が演じる与八も、この49話で唐突に死亡! まさか死ぬようなキャラとは思わなかったので、スパイの正体はともかく、驚いた人も多かったのではないだろうか。

 さて、『真田丸』が誇る正ヒロイン・きり。これまで幸村には何かと邪険に扱われ、コメディパートを担当することも多かったが、終盤に入ってからは幸村の背中を押すようなシーンも多く、相棒として頼もしさを発揮するようになってきた。一方で、なかなか艶っぽい方向にお話がいかないので、やきもきしていたものだが、ここにきてついに結ばれてしまった。「源次郎様がいない世にいても、つまらないから」は、『真田丸』トップクラスの名セリフであったと思う。レビューを始めた当初は自分も結構けなしていたものだが、きりが報われて良かったなと今は素直に思える。

 いよいよ次週で最終回を迎える『真田丸』。1年間楽しませてくれたことに感謝しながら、どんなラストを描いてくれるのか、楽しみにしたい。
(文・馬場ゆうすけ)

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