ミリオタライター・二木知宏の「武器で見る映画」第4回

生まれたときから“革命児”!? 『艦これ』吹雪のシンデレラストーリーを紐解く『劇場版 艦これ』

kankore121201.jpg『劇場版 艦隊これくしょん』公式サイトより

 どうも、ミリタリーオタク、略して“ミリオタ”の二木です。「武器で見る映画」第4回は先月公開の『劇場版 艦これ』をミリオタ視点で解説していきます。言わずもがな『艦隊これくしょん』略して『艦これ』です。

 実は僕、『艦これ』のゲームもTVアニメも見たことありません! 兵器と萌えの融合ってコンセプトなのですが、僕はそもそも兵器自体に萌えるタイプなんで、なんでわざわざ足すんだ!? って敬遠していました。そんな僕でも、名前くらいは知っているし、艦艇の擬人化だってことぐらいはわかります。ただ、難しいのは、兵器が出てこない作品ということ。いうなれば、登場人物自体が兵器なんですね。そこで、僕は、ミリタリーの知識だけで見てまいりました。

 この『艦これ』の登場人物たちは、「艦娘(かんむす)」と呼ばれています。なぜ、女性限定か? なぜ、大日本帝国海軍の艦船限定か? それについて物語上では言及されていません。とにかく艦娘は敵と戦います。敵は深海棲艦(しんかいせいかん)と呼ばれる存在。艦娘たちは、巫女さんの格好をしていたり制服着たり、男たちの夢みたいないでたち。対して深海棲艦は、露出度の高い痴女みたいな、これはこれで男たちの夢みたいないでたちです。そんな女の子たちが兵器の名を冠して、キャットファイトしているわけですね。カワイイ。

 まずは映画冒頭、夜の海を走っています。どう表現すればいいのかわかりません。艦だと、「航走する」でいいんだろうけど、みんな海の上で走ってるしな……兵器だしな……って感じです。そして、一人一人紹介されます。「重巡:鳥海」前回のおさらいになりますが、重巡、これは「重巡洋艦」鳥海(ちょうかい)です。その他にも重巡:衣笠、重巡:青葉、重巡:古鷹、重巡:加古、軽巡:天龍と紹介されます。つまり、これって第一次ソロモン海戦じゃないか!? とひとり心の中でツッコミ入れました。

 第一次ソロモン海戦とは、1942年ソロモン諸島沖での、日本海軍VSアメリカ、イギリス、オーストラリアの三海軍、連合軍の戦いです。その海戦で活躍したのが、鳥海、衣笠、青葉、古鷹、加古、天龍なのです。「三上艦隊」と呼称していましたが、この海戦の日本海軍の指揮官が三上軍一中将だったからでしょう。この時の旗艦は、鳥海です。旗艦ってなんだよ? って話ですよね? 旗艦とは指揮官の搭乗する艦のことです。命令を発する艦となるため、「旗艦=キカン=はたぶね」となるわけですね。

 場面は変わりまして、艦娘たちが島で休んでいます。艦船の擬人化でも、陸に上がるんですね。何を今更的な発言をさせていただくと、長門がみんな仕切っているわけですよ。戦艦:長門(ながと)、長門型戦艦の一番艦で、帝国海軍を代表する戦艦です。さらに長門は、第二次大戦前に16インチ(41センチ)の砲を持っていた巨大艦が世界に7隻しかないことから“ビッグセブン”と呼ばれた艦のひとつなのです。他は、長門と同じく長門型二番艦陸奥、イギリスのネルソン級一番艦ネルソンと同型二番艦ロドニー、アメリカのコロラド級一番艦コロラド、二番艦メリーランド、三番艦ウエストヴァーニジア、この7隻です。

生まれたときから“革命児”!? 『艦これ』吹雪のシンデレラストーリーを紐解く『劇場版 艦これ』のページです。おたぽるは、ミリタリーその他の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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