【アニメレビュー】～天然サイコパス・鳳瑛一～『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』第10話

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――レボリューションからレジェンドへ！　ついに第4期シリーズに突入したアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪』。本稿は、「HE★VENS」好きなオタが送る、“HE★VENS成分やや多め”のレビューです。※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』公式サイトより。

■『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』
第10話「We believe you」

　ST☆RISHの一十木音也を“闇落ち”させてしまった戦犯として、『うたプリ』ファンから「無理」「嫌い」「●ね」と批判を浴びまくることとなってしまったHE★VENSの鳳瑛一。瑛一は、ちょっと……いや、かなりおかしな人だけど、誰かを陥れたいとかそういう悪いことを考えるような人じゃないハズ……（マジ盲目1000％）。

　ひとまず本稿は、「HE★VENS好きなオタが送る、“HE★VENS成分やや多め”のレビュー」なので、音也が笑顔を取り戻した流れについてはサクッとお送りします。

「もう笑えない」とトキヤに告げ、行方をくらませていた音也は、両親の存在を知らず、育ての母も幼いときに病気で亡くしていました。その過去のせいで、“自分が大切に思っているものはすべて失ってしまう”と考える音也はST☆RISHに戻れず……。そんな時、シャイニング事務所の図らいで街頭ビジョンに流されたST☆RISHの「夢追人へのSymphony」を聞いて、また「みんなに会いたい」と思えた音也。笑顔を取り戻すため、育ての母と行くと約束したひまわり畑へ向かいます。そこで、これまで向き合ってこなかった育ての母を思い出し、「太陽みたいに輝いて、アイドルとしてみんなを照らす」ことを誓うのでした。

――というのが、第10話の流れ。音也がトラウマを乗り越え人として成長し、そしてST☆RISHの絆を深めた回だったのかなと。

　その一方で、デュエット曲を「歌う者の心すら震わせる、魂を揺さぶる曲」にしようと考えた瑛一は、音也の「心の奥深くに眠っている魂を解放」するため、第9話ではなかなかヤバイ行動を起こしていました。

・「もっと見つめるんだ。お前自身を。寄り添うんだ。本当のお前の魂に……」と語りかけるなど、音也をじわじわと洗脳させるような描写
・レイジング事務所のスタジオでの合宿を提案。そこで音也に作詞をさせる（音也も合意の上だったけど、「監禁」っぽいと言われている）
・停電で暗闇になった部屋で、音也に「心をさらけ出せ！」と壁ドン！
・笑顔で「俺たちは魂を共有している。お前の感じることは等しく俺も感じるぞ」とサイコパスじみたセリフを発する
・音也の過去を調べた上で、音也のトラウマを突く
・音也の育ての母の象徴である「ひまわり畑の絵画」を燃やしはじめる
・音也が“堕ちた”ことに「おお……！」と歓喜する

……こうやって改めて見てみると、瑛一かなりヤバイ奴ですね。「気に入ったものには偏愛傾向を示す」性格で知られる彼ですが、弟の瑛二も「兄さんがこんなに誰かを気に入るなんて、本当に珍しいね」と言うほど彼は音也を気に入ったようです。てっきりヒロインに偏愛傾向を示すと思っていたのに……！　まあ、春ちゃんからの着信時に彼女の写真を待受に設定していたのは、ヤバみを感じましたが。

　第10話では、“瑛一に対するフォロー”があるのかどうか、筆者は気になっていたのですが（このままじゃヤバイ人のままだし）、今回は父であるレイジング鳳に音也の行方不明を手柄だと褒められ、「すべてお前の計算通りだろう？　グイグイと追いつめて一気に潰す」と言われた時に、「違う、俺は最高の音楽を追及しただけ」と狼狽える様子を見せただけ。やっぱり故意ではなかったようですが、この表現だと瑛一がただの“天然サイコパス人間”であることがさらに証明されていっている感がするのは筆者だけでしょうか。つらい。

　さらに、音也を心配する相方・トキヤが瑛一の元を訪れた際も、「きっと魂が震え続けているのだろう。至上の音楽に触れたからな。すぐには日常に戻れない」「心の闇を解き放たせ真の自分をさらけ出させた。一十木音也の心の深みには、絶望のひまわり畑が広がっている！」とヤバイセリフを連発。しまいには、「あぁイイ……ゾクゾクする……俺たちは歌った。聞く者の魂を震わせ、闇色に染めていく歌をな！」と身を震わせるほど。この人マジでヤバイ人じゃないか……。

　でも、その中でひとつ気になる発言をしているんですよね。トキヤに「同じ魂を持たないお前に、音也の気持ちを理解できるわけがない」と。彼もまた音也とは違った“心の闇”があるのでしょうか。このところ、父との衝突がたびたび描かれている彼ですが、もしかすると何か抱えているのでしょうか。こんなヤバイ人になった原因もあるのかもしれない？

　気付いたら『マジLOVEレジェンドスター』も第10話が終了し、残りわずか。あと数話で瑛一の過去にも触れるのかな～。う～ん触れないだろうなぁ。個人的には、瑛一をここまでヤバイ人にする必要性があったのかなあと、なんだか少しもやもやしているところです。
（文・月島カゴメ）