ムラタコウジ『てのひらにアイを！』こいつら、絶対にパンツをはいてない！　

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『てのひらにアイを！（1）』（小学館）

　これまで『野球部のヒロコせんせい』などの作品がある、ムラタコウジ氏。新作『てのひらにアイを！』（ともに小学館）は、絵柄をガラっと写実的なものにして、バレーボール部を舞台に描く青春群像……じゃ、なかった！

　この作品、勢いだけで突っ走るラッキースケベマンガです。

　物語の主人公の「海ちゃん先生」こと、海山勝利は、バレー部の顧問も務めて、熱血な青春に憧れを抱いてやまない男。彼が勤める学園のバレー部は都内屈指の超・強豪校だ。ただし、女子バレーのほうだけ。海ちゃん先生が面倒をみている男子バレー部は、女子バレー部にハアハアするのが主な活動なのである。

　いかに、海ちゃん先生が熱血指導を試みても、あらゆる理屈で練習をサボることしか考えていない男子部員たち。

　そんな、ふがいのない日々を送っていた海ちゃん先生は、練習の時のハプニングから、女子バレー部員・森野愛の乳房を揉んでしまったのである。

　初めて男に乳房を揉まれるという体験をした愛ちゃんだったが、ちょっとアホな子である彼女は、これで火がついてしまった。多くの友人がオッパイを揉まれた体験を語っているというのに未経験を恥じていた彼女は、海ちゃん先生に、もう一度揉んで欲しいと頼んできたのである。

　完全にラッキーなエロスが待っているというのに、海ちゃん先生は躊躇する。なにせ、童貞なこの男は「好きな人でなくてはダメ」と逃げを打つのであった……。

　こうしてはじまるラブコメが、本作の主題……だと思うだろう。いや、実は、そんなのは単なるオマケである。

　この作品、いかにラッキースケベや、必然性のあるエロシーンを登場させるかしか考えていないのだ。

　まず第1話では、3ページ目からパンモロ。そのまま引っ張って、8ページ目までパンチラを続行。説明は9ページの1枚で終わらせて10ページ目からはブルマ＋尻、オッパイに太ももと、「女子バレー部が舞台なんだから、当然だろ」と装って、ひたすらエロいコマをいれていくのである。おまけに、ブルマがなんかおかしい。よく見ると、マンスジに見えるようなトーンが貼ってあるんだから！

　おまけに尻からの構図でも、ブルマがやたらと尻に食い込んでいるように見える。これは、どう見てもパンツをはかずにブルマを直履きしているということなんじゃなかろうか。

　おまけに「それだけでは、読者に飽きられる」と考えたのだろうか、次第に、外陰部がみえんばかりの構図まで投入してくるではないか！　いや、もしパンツをはいているとしてもTバックじゃないと、こんな風に見えないだろう……。

　ついには、勃起乳首まで描いちゃったりと、限界に挑戦しまくっている本作品。毎週、掲載誌の「ビックコミックスピリッツ」を購入して、このマンガでハアハアしているのは、どんな人なのだろうかと、気になる作品だろう。
（文＝是枝了以）