「最近は静物画を描いています」「最初は人体解剖図から」いよいよ始まったCG児童ポルノ裁判控訴審、たったの7分で結審

 そんな寂しい雨の中、法廷の前にたどり着いたのは開廷1時間前の午前10時。誰もいない寒い廊下で裁判官の名前を新聞検索サイトで調べていると、弁護団の奥村徹弁護士が到着する。挨拶した後に、奥にある待合室でなにやら仕事の電話をしている奥村弁護士。聞き耳を立てずとも会話の内容が聞こえてしまうので、筆者は法廷の入口前の廊下にいたのだが、それでもずっと電話の声が聞こえてくる。この建物は、やたらと人の声が響くのだ。

 10時30分になり、ようやく傍聴者らしき人が1名。そして、また何も動きがないままに、時間だけは過ぎていく。10時40分になり、弁護団が2名。傍聴人は来ない。

 10時44分、早くもドアが開き傍聴人の入廷が許可される。ようやく弁護団も揃い始める。

 弁護団は7名。緊張気味に汗を拭っている高橋さんに対して、弁護団はずっと雑談してリラックスしている雰囲気だ。暖房もたいしてきいておらず寒い法廷で汗をぬぐっているのだから、相当に緊張しているのであろう。

 そのまま時間は過ぎ、開廷直前になって弁護団が一名増える。椅子が足らず、すぐに事務官が椅子を追加してくる。

 11時、裁判官が入廷。傍聴者は6人、司法記者クラブ所属の記者が7人。それ以外の取材者が筆者ともう一人。弁護団の席ばかりが賑やかな妙な雰囲気である。

 朝山芳史裁判官は、老練な雰囲気の人物。年齢相応の、少し抑えた声で弁論を始める。

 弁論とはいえ、これは控訴審。弁護団や地裁の判決に対して、新たな趣意書や陳述書などを提出する。また「弁何号証は~」と確認する作業。司法記者の一人は、早くも寝ている。

 開廷から7分、朝山裁判官は告げる。

「では、以上で弁論を終結します」

 控訴審は早いと聞いていたが、驚くほどの早さである。裁判官は判決期日を指定し、高橋さんに出頭の義務はないなどの事務的な説明を行う。

 待っている時間のほうが長い裁判。ホッとした顔の高橋さんに「このためだけに、岐阜から呼び出すとは……」と声をかけると、噴き出すように笑う。

 高橋さんは、体格のよい木訥な人物である。無口で控えめな雰囲気で、出会った人は「真面目な人」という印象を得るだろう。もちろん、彼が逮捕された理由となった作品を見ると、単にそれだけの人物ではないことがわかる。人によっては、相当な気合の入った変態である。少女の絵画を、ひたむきに描いてきた筋金入りのロリコンの変態……そんな風に見る向きもあるだろう。

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