VR元年にふさわしい!? 日の目を見ない“クソゲーの中のクソゲー”『超クソゲーVR』

 VR(バーチャルリアリティ)元年と言われた2016年。革新的なハード機VRが登場し、ゲーム業界は今、大変な盛り上がりを見せています。

 一方、「ゲームはドット絵の頃が一番良かったなぁ」とノスタルジーに浸る、高橋名人リスペクト世代には嬉ションものの『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』が先月発売。懐かしの名作ソフトが30タイトルも収録され、レトロゲーム好きならBダッシュで予約に行ったことでしょう。この『ファミコンミニ』がメディアで多く紹介され、ネット上では高額で取引されるなど、ひたひたとレトロゲームブームが再燃しているといえます。

 そんなレトロゲーマーの諸兄に、オススメの一冊『超クソゲーVR』(太田出版)。ここでいうところのVRとは“バーチャルリアリティ”ではなく“ベリーレア”の略。クソゲー数あれど、クソゲーを超えた超クソゲー、つまりスーパーサイヤなクソゲーばかりを網羅。

 クソゲー界ではいわずと知れた、バントでホームランが打てる『燃えろ!!プロ野球』、達也と和也が南を引き連れて、襲いかかる異空間の敵に野球ボールをぶつけていくだけの『タッチ』、攻略本がないと絶対クリア不可能な『たけしの挑戦状』。これらは明るくてわかりやすいメジャーなクソゲーです。ここではそれとは違い、どんよりしていて薄気味の悪い個性派を紹介。

 PCエンジン用ソフトで発売された『姐』というタイトルの作品。もはやタイトルの時点で溢れんばかりのクソゲー臭。内容は、いじめられていた自分をかばってくれた行方不明の姉をヤンキーの女の子が探すという、これ絶対深夜のテンションで企画考えただろ? と勘ぐってしまう代物。

 こちらもPCエンジンで発売された『あっぱれ! ゲートボール』。世界初、ゲートボールのゲーム化に成功。なかなかどうして白熱した戦いが繰り広げられます。対戦相手のキャラは全員60歳オーバーにもかかわらず、試合が始まると妨害行為の雨あられ、血生臭い戦いを強いられます。ゲームを終えるころには、陰鬱な空気が家庭を包み込み、一家で気分が滅入ること請け合いです。

 そして極め付きは、Play Stationとセガサターンで発売された『スタンバイSay You!』なる作品。Say Youといわれてもなんのゲームかわかりませんよね? ふたを開けると至ってシンプル、声優がスタンバイしているゲームなのです。……ダジャレかよ! 北斗の拳のザコの声や、北斗の拳の次回予告のナレーションや、パチスロ北斗の拳で大当たりを告知してくれる神々しい声などでおなじみの千葉繁が、全面的にフィーチャーされています。

 それもそのはず、千葉が音響監督を務めるアニメ作品に出演する声優たちと円滑にコミュニケーションを取るために、プレイヤーが奔走するという内容。当然のように“千葉繁とその他大勢の声優”という屈折したパワーバランスになっています。まさに、アイタタタタタタタター! なゲームです。

 といった感じであんなクソこんなクソ、ゲーム業界には多種多様なクソが撒き散らされております。今年のクリスマスは、子供のプレゼントにVR(ベリーレア)なクソゲーを強くおすすめします。
(文=渡部ダイシ)

超クソゲーVR

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