『スター・トレック』を意識した舞台に女性キャスト33名が挑む! 『GIRLS TREK』記者発表会レポ

 来たる12月7日(水)から、アリスインプロジェクトの舞台『GIRLS TREK』が上演される。それに先立って、11月27日、東京・池袋にて記者発表会が行われた。

『スター・トレック』を意識した舞台に女性キャスト33名が挑む! 『GIRLS TREK』記者発表会レポ

 壮大なスペースオペラをテーマに、困難に立ち向かう少女たちの友情、宿命が描かれる『GIRLS TREK』。演出は、『みちこのみたいせかい』や『魔銃ドナーKIX』など、アリスインプロジェクトの舞台ではおなじみのバンタムクラステージの細川博司氏。そして脚本に、アリスインプロジェクト初登場の三井秀樹氏を迎える。三井氏は、これまでミュージカル『テニスの王子様』やスーパーミュージカル『聖闘士星矢』、『マクロス ザ・ミュージカルチャー』など数々の2.5次元ミュージカル作品の脚本を手掛けている。

 キャストは、アニメ『アイカツスターズ!』の「AIKATSU☆STARS!」から遠藤瑠香と星咲花那、元SKE48の加藤智子、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』でセーラーマーキュリーを演じた小山百代、さんみゅ~の長谷川怜華、元宝塚歌劇団星組の茉莉邑薫、講談社主催の「ミスiD2015」で岸田メル賞を受賞した今川宇宙ほか女性キャストオンリーの総勢33名。なお、美濃部プロデューサーによれば、「今回、あて書きということではなく、まず脚本があって、そこからキャストを選んでいった」という。

1611_alice_08.jpg出演者集合写真。

 本作はタイトルからもわかる通り、アメリカのSFテレビドラマシリーズ『スター・トレック』を意識したものなのだが、もちろんストーリーはオリジナル。登場人物もすべて新たに作られたものだ。また、役名に共通するのが「植物の名前」で、これは何かを意味するのかを三井氏にたずねてみたところ、「いいところに気付きましたね!」と仰りつつ、「舞台を観てのお楽しみ」ということでナイショとのこと。

 三井氏は以前からアリスインプロジェクトの舞台の脚本を書きたいという想いがあったそう。今回、「スター・トレックをやりたい」というオファーを受け、「そのままは無理でしょう」とアレンジを加え、脚本を仕上げたという。三井氏は大の『スター・トレック』ファンとしても有名で、「ST JAPAN」というプロジェクトの副実行委員長として、『スター・トレック』45周年の記念誌を発行したり、映画『スター・トレック:BYOND』の日本公開に合わせてイベントを開催したりしている。

 その一方で演出の細川氏は、「(スター・トレックではなく)スター・ウォーズ派だったので」と笑いをとっていた。三井氏だけでなく、原作の畑澤和也(オッドエンタテインメント)氏も「筋金入りの、ガチのスター・トレック好きだった」ことから、「もっとこうしてほしいという注文があった」そうだが、「それをいかにまとめて板の上に落としていくか、そしてアリスインプロジェクトはガールズ演劇なので、いかにキャストの子たちを良く見せるのか、その折り合いをつけるところを、今まさにやっています」と語っていた。アクションについては、「元の題材になった作品に派手なアクションがないので、レトロな感じを残しつつ、面白く見せるように、僕なりにこだわりを持ってやっています」とのこと。

1611_alice_02.jpg斉藤桐子役の小山百代。

 小山百代は、今年5月にアリスインプロジェクトの札幌公演『アリスインデッドリースクール オルタナティブ』に墨尾優役で出演している。今回も高校生役なのだが、前回とは違った役柄のようで、本人のTwitterでも「最近役柄の影響で ふとした瞬間に口が悪くなる」とのつぶやきが見られた。ただ、「考えて考えて難しくて 楽しくて、充実してます」と、役者としてチャレンジすることに前向きな姿勢が見える。ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』でセーラーマーキュリーを2年連続でつとめる(14年、15年)など、役者としての実力は確かなものがあると確信している。また、今回の『GIRLS TREK』は「スペースオペラではない」とされるものの、アリスインプロジェクトの作品では恒例の歌とダンスがあるとすれば、彼女の見せ場でもあるだろう。小学生の頃から、ヒップホップ、JAZZ、タップ、バレエとさまざまなダンスを経験しているそうなので、その辺りも期待したい。

 この日の記者会見では、「ここ数年、女の子ばかりの舞台にしか出ていないので居心地もよく、稽古中もすごく華やかです。舞台上でも女の子ならではの世界観、華やかさ出していければと思っています」と語っていた。役柄は合唱部の副部長で「21世紀に住む女の子が24世紀の(宇宙船の)クルーたちにどう出会っていくのかというところを見ていただければいいかなと思っています」とのこと。

1611_alice_03.jpg葦田香苗の役長谷川怜華。

 長谷川怜華が演じる葦田香苗も合唱部のメンバー。長谷川は今年12月27日のライブをもって、所属するアイドルグループ「さんみゅ~」を卒業することが決まっており、その後は本格的に女優の道へ進む。自身のブログにも「この舞台でしっかり自分の今できる力をみせて、よし、来年からも長谷川の応援しよう。って思ってもらえるように頑張りたいです!!!」と綴っていた。すでにいくつかの舞台にも出演しており、アリスインプロジェクトの5月公演『みちこのみたせかい』でも、実年齢からかけ離れた科学者の役を見事に演じ切っていた。本作では、また違った一面が見られるのではないだろうか。

1611_alice_04.jpg高山杏役の星咲花那。

 星咲花那が演じる高山杏は、唯一新聞部に属する学生。本人いわく「変人みたいな役」で、「合唱部のみんなが和気あいあいとしている中で、急にワーッと来て面白おかしくする役」とのこと。「舞台に出演するのが2回目なんですけど、前回はクールな役だったので、はじめは戸惑いました。でもやっていくうちに、どう面白おかしくするかを考えるのが楽しくなってきてます」と役作りに自信を見せていた。星咲は、アニメ『アイカツスターズ!』の歌唱を担当するなど、どちらかと言えば歌のイメージが強いが、本作では演じることに面白味を感じているようで期待ができそうだ。

1611_alice_05.jpgラル役の今川宇宙。

 宇宙船USSのオペレーター・ラル役の今川宇宙。人間ではなく「アンドロイドの役」とのこと。演じるにあたって苦労しているのが、いかにアンドロイドらしさを出すかという点らしく「はじめはPepper君(ソフトバンクロボティクス製の人型ロボット)をイメージしていたんですが、Pepper君は21世紀のロボットなので、それよりずっと進んでいる24世紀で、どこまでロボットっぽくすればいいのかが分からないです。また物語の中で起きる出来事に一切動じない、感じないのがアンドロイドで、どう演じるのか迷っているんです」と役の難しさに苦戦しつつ、考えて演じるという役者らしさを見せていた。

1611_alice_15.jpgUSS艦内クルー、ウィロー役の花梨。

 花梨は、開口一番「今回ヤバイから」と。「こういう役が初めて過ぎて」と断片的なフレーズで記者たちを混乱させつつ、「強い女戦士」ということだけは伝えてくれた。「クリムゴン人です」という一言でスター・トレックファンには、なんとなくイメージできたのではないだろうか。衣装は身体にピッタリとしたもので、役を演じるにあたって普段は高い声も抑えているそうで、いつもとは違う花梨を見られることは間違いないだろう。

1611_alice_06.jpgUSSの保安部員、リリーを演じる新原里沙。

 この日、花梨とともにテンションの高かった新原。今年5月に上演された『みちこのみたせかい』や7月の『時空警察クロノゲイザー』にも出演し、アリスインプロジェクトの舞台ではおなじみになってきている感がある。今回は、以前同じアイドルユニットにいた荘司里穂(星組・松本沙也加役)との共演も楽しみのひとつではないだろうか。この日も一緒の写真に写っていたり、自分についてではなく、荘司について「メッチャ可愛い役なんですよ」と語っていて、仲の良さが見てとれた。

1611_alice_07.jpgUSS訓練生、ピーチ役の渡辺菜友。

 渡辺菜友もまた、アリスインプロジェクトの舞台では馴染みのある役者。今年5月の『みちこのみたせかい』や7月公演の『時空警察クロノゲイザー』にも出演している。今回初めてシングルキャストに選ばれた事がうれしいようで、この日も終始笑顔だった。「(アリスインプロジェクトの舞台)4回目で初シングルということで緊張しています。でも周りのみんなに支えられながら仲良くやってます。楽しいです。がんばります!」と意気込みを語っていた。

 舞台『GIRLS TREK』について、「あの壮大な世界観をどう舞台で表現するのか、かなり難しいのではないか」という第一印象を受けた。しかし、この記者発表会を通じてオリジナルの要素がたっぷり含まれることがわかり、まったく別のストーリーが展開されることに期待が高まっている。少なくともスペースファンタジーの世界と、現代劇の要素が入り交じって、化学変化を起こしていく楽しみを感じている。そしてガールズ演劇らしい華やかさが加わって、どんな世界が見られるのか、今から待ち遠しい。
(取材・文=矢口 明)

1611_alice_09.jpgシングルキャスト。左から、渡辺菜友、ナギノ、夢咲あいり、小山百代、長谷川怜華、星咲花那、今川宇宙、花梨、仲野りおん、新原里沙、河野万里奈。
1611_alice_10.jpgダブルキャスト月組。左から、鳴海真奈美、新井花菜、宮澤美琴、和泉心空、幸川華波、小島一華、甲斐千遥、鈴木月。
1611_alice_11.jpgダブルキャスト星組。左から、内田菜々、竹本茉莉、保田真愛、永山杏佳、鈴野まみ、近藤優衣、荘司里穂、深沢優希。
1611_alice_12.jpg河野万里奈。合唱部の宇水蓮を演じる。第4回全日本アニソングランプリで優勝するなど、歌唱力もある。
1611_alice_13.jpg柳田ゆり役のナギノエナ。ミスiD2016のファイナリスト。DJとしても活躍中。
1611_alice_14.jpg最年少キャストの仲野りおん。

■アリスインプロジェクト2016年12月公演『GIRLS TREK』
【日程】2016年12月7日(水)~11日(日) 全8公演
【劇場】新宿:THEATER BRATS
【公式サイト】http://alicein.info/

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