メジャーとインディーの違いって何？　松江哲明＆マッスル坂井の異色タッグ『俺たち文化系プロレスDDT』

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　レスラーたちのプロレス愛とファンの声援に支えられ、DDTはインディーズシーンの中心的存在となっていたが、ある試合をきっかけに、新日本プロレスとの間に企業間抗争が勃発する。新日本プロレスといえば、2012年にブシロードが経営するようになり、再び黄金期を迎えた超メジャー団体。2015年8月のDDT両国大会に新日本プロレスのエース・棚橋弘至が参戦したまでは良かったのだが、試合後の棚橋のコメントがプロレス業界とファンの間で波紋を呼ぶことになる。DDTのエース・HARASHIMAとのシングルマッチで見事な勝利を収めた棚橋だったが、HARASHIMAの健闘を讃えるどころか、不満をぶちまけた。

「舐めたらダメでしょ。全団体を横一列に見てもらっては困る。ロープの振り方、受け身、クラッチひとつの細かいことに至るまで違うんだから。技がじょうずだね、マスクがいいね、筋肉がすごいね、じゃないところで俺たちは勝負しているから」

　インディーズ系レスラーの意識と試合内容のレベルが低いことに、メジャー団体の看板を背負う人気選手として苦言を呈したのである。棚橋のこの上から目線な言葉に、負けたHARASHIMAだけでなく、DDTの他のレスラーも、DDTを応援してきたファンもヘコんでしまう。パンツ一丁という同じ条件でリングで戦っているにもかかわらず、メジャーとインディーとの間には目には見えない大きな壁があることが突き付けられる。

試合中は全力ファイトを見せる大家健だが、自宅アパートは汚部屋そのもの。整理整頓は苦手らしい。

　インディーズ団体に所属するレスラーとしての存在意義を問われるこの問題をスルーせずに立ち上がったのが、大家健＆男色ディーノにスーパー・ササダンゴ・マシンことマッスル坂井を加えたDDT内ユニット「♯大家帝国」だった。プロレスは決してうまくはないが、マイクアピールしながら感極まって泣き出してしまう激情家の大家健をリーダーとするこの3人は、まずDDT内のユニット人気投票で1位に選ばれ、主催興行の権利を手に入れる。さらに3人はDDTの社長兼レスラーである高木三四郎に「棚橋対HARASHIMA」のリベンジマッチを要求する。だが、前回と同一カードでは面白くない。HARASHIMAのタッグパートナーには、よりインディーズ色の強く、何をやらかすか予測できない男・大家健が就くことに。プロレスのリングで起きたシビアな問題を、プロレスで解決してみたい。マッスル坂井たち非主流派レスラーたちの知恵と男気が試される。

 
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