【アニメレビュー】~“さっちゃんの消滅”が示すもの~『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』第7話

――レボリューションからレジェンドへ! ついに第4期シリーズに突入したアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪』。本稿は、「HE★VENS」好きなオタが送る、“HE★VENS成分やや多め”のレビューです。※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

1610_utapuri_01.jpg『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』公式サイトより。

■『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』
第7話「Grown empathy」

 第3話から、ST☆RISHとHE★VENSのデュエットプロジェクトの模様を1組ずつお送りしている『うたプリ』。前回でHE★VENS新メンバー4人の登場回が終わり、今回からいよいよHE★VENSのオリジナルメンバー【注:今期の第1話で渋谷友千香が「HE★VENSはもともと7人メンバーだった」と発言していますが、ここではオリジナルメンバーと呼ぶことにします】のデュエットプロジェクトがスタート! 

 今回はST☆RISHの四ノ宮那月&HE★VENSの帝ナギのデュエットプロジェクト回。 “かわいいものがだ~い好きななっちゃん”と“かわいいナギ”がどんな絡みを見せるのか、楽しみ……だったのですが、第7話のナギの登場シーンはわずか7分半!(※筆者調べ) これまでのデュエットプロジェクト回は、ペアの衝突や和解が描かれていたのですが、今回はまさかの“ほぼなっちゃん”回。宇宙一かわいいナギをほっといていいわけぇ~?

 しっかし! 今回の7話、個人的には“神回”。なっちゃんが、“もう一人の自分”であるさっちゃんこと四ノ宮砂月を初めて認識し、彼と対話することで、またひとつ成長していく――という、とても感動的な回でした。

 なっちゃんがメガネを外すと現れるさっちゃん。さっちゃんは、なっちゃんを傷つけるものから守るために存在しているもう一つの人格です。なっちゃんは、ヴァイオリンの天才少年だったのですが、その当時の講師に裏切られてしまいます。その辛い想いを引き受けるために生まれたのがさっちゃんでした。アニメでは比較的さらっとした説明でしたが、ゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪ Repeat』では詳細に描かれているので、気になる人はそちらをプレイしてみては(PS Vitaの移植版も出るし!)。

 いつもはそっとなっちゃんを見守っているさっちゃん。しかし、デュエットプロジェクトの打ち合わせ中に突如姿を現します。ナギはなっちゃんがヴァイオリンの天才少年だったということを知っていて、今回の曲で演奏しようと提案してみますが、なっちゃんは「ヴァイオリン」と聞いて、“ちゃんとは覚えていない”幼少期の嫌な思い出が脳裏をかすめます。

 なんでヴァイオリンを辞めたのか思い出せない――そんななっちゃんをナギは「弾きたくないから嘘ついてる」「ふざけてる」と責め立てます。すると、さっちゃんが自らメガネ取って、「やめだ」と、一方的に打ち合わせを終わらせてしまうのでした。でもこれは、さっちゃんが「あいつは危険だ。ヴァイオリンの記憶に触れて那月につらい過去を思い出させる」と言うように、なっちゃんのためを思ってしたことなんですよね……。

「繊細で傷つきやすい那月を守る。そのために俺がいる」と自分の存在意義を語るさっちゃん。その一方で、なっちゃんは、「僕のことより、誰かが辛い目に会う方が悲しいです」と言っていました。なっちゃんは、さっちゃんの存在を知らないのですが、この“誰か”はさっちゃんも当てはまるんじゃないかって思うと、心が締め付けられるような感覚になります。

 その後、なっちゃんが二重人格だと知ったナギが煽りに煽りまくったせいで、さっちゃんは激怒し、「ナギには二度と会わせない」「アイドルもやめさせる」と決め込んでしまいます。でも、ST☆RISHからの説得、そしてなによりなっちゃんの心境を見て、どうすればいいのか悩む彼を見ると、本当になっちゃんのことを想いながら“守っている”んだなと。

 その後、なっちゃんはなんとヴァイオリンを弾く決意をします。いつも笑顔をくれるファンに、笑顔を返すために。そして、辛いことを乗り越えて、これからもST☆RISHの仲間でいたいから。なっちゃんの成長を感じるのですが、同時にさっちゃんから旅立ってしまうような表現にも見えて、少しさみしい気持ちにもなります。

 そんななっちゃんの成長は、誰よりも近くで見守っていたさっちゃんも実感しているよう。春ちゃんに「那月はもう守られるだけの弱い存在じゃない」と言うと、自分の使命を果たしたかのように、さっちゃんは月へと吸い込まれていきます。消えちゃうの??

 すると、場面は変わって、どこかの精神世界にいるのでしょうか、なっちゃんとさっちゃんがはじめて対話します(!)。いつも守ってくれていたことに感謝するなっちゃん。そして、これからは仲間と共に辛いことも乗り越えていくと、さっちゃんに宣言するのでした。「俺は……眠る。だけどいつも一緒だ。那月」「一緒に頑張りましょう。さっちゃん」――。 “さっちゃんの消滅”はなっちゃんの成長を象徴しているように見えました。さっちゃんは消えてしまうのは、ファン的には結構悲しいですが……。

 今回、ナギはなっちゃんに対して強く当たったり、さっちゃんを煽ったりと、一見すると“ひどい子”だったのですが、HE★VENS贔屓な筆者的には、すごいプロ意識が高い子なんだなと思ったり。最後に「言っとくけど僕がいろいろ言ってたのは、デュエットプロジェクトのためなんだからね!」ってツンデレ発揮していましたが。

 第2期で接近してきたなっちゃんの手を叩いてはねのけたナギですが、今回なっちゃんとデュエットを組むにあたって、ヴァイオリンが弾けるということを事前に知っていたり(トラウマを突くことになっちゃったけど)、なっちゃんがヴァイオリンを弾くと決意した時も、「中途半端にやられるのはむかつくから、ちゃんと決めて!」って言ったり……。言い方はアレでしたが、本気で相手にぶつかっているなあって。

 それでもって、“HE★VENS唯一の良心”瑛二くんに「ちゃんと相手のこと考えて一緒にやれてる?」と言われたときは、「で、できてる!」って冷や汗かいちゃうところは13歳らしいなあと。なので、数々の言動は許してあげてくださいね!
(文/月島カゴメ)

【アニメレビュー】~“さっちゃんの消滅”が示すもの~『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター』第7話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!