『ちびまる子ちゃん』脚本・高橋幹子インタビュー!! 「いい話だなー」率の高い注目脚本家を直撃!知ってそうで意外と知らない『まるちゃん』制作現場とは!?【前編】

■厳しい“過去作品との戦い”、14本のネタがすべてダメだったときも

―― 脚本が完成して、高橋さんの手を離れたあとの過程についてもお伺いしたいのですが。

熊谷 まずは絵コンテですね、先ほども言ったように5人でローテーションを組んで担当してもらっていて、その後原画、動画と順々に進めていきます。弊社は社内と一部の別スタジオ、フリーランスの方で完結できるようなシステムになっているんです。アフレコ以外の作業はほぼ社内でできるようになっていて、昔ながらのオーソドックスな進行をしています。

―― 今のご時世、なかなかできることじゃないですよね?

熊谷 もちろん、忙しいときはどうしてもあるので難しいこともありますが、それでもちゃんとチェックが行き届く範囲でとどめていますね。

―― 長期に渡って放送されている作品なので、脚本作りでも独自のルールがあって手間取った、みたいなことはなかったのでしょうか?

高橋 最初のネタ出し会議に、はりきって14本もネタを出したんですよ。これだけ出せば、一本ぐらいは採用されるだろうと思っていたんですが、それが全部ダメだったんです。その理由が、「過去の作品と似ている」。 

 12年頭の段階で、すでに800回以上放送されていたんですよ『ちびまる子ちゃん』は。自分が書いているものはすでに先輩方が書かれていた、まずはこれまで放送された800回との勝負なんだということにそこで初めて気がついて、ガーンとやられたわけです。

―― 先週の13日放送回が1077話で、基本1回の放送で2話ずつですから、そりゃ似ているお話だって出ますよね。

熊谷 しかも、90年に放送されたTVアニメ第1期も140話ぐらいありますから。今でも出していただいたネタの半分ぐらいが、「これ、(近い話を)やったことがありますね」となるときもあります。

1611_maruko03.jpg「『夏にお年玉!?』の巻」より(C)S.P/N.A

高橋 『ちびまる子ちゃん』ってすごく普遍的なものを扱っている作品だと思うんです。家族、日常、友だち、絆……そういった普遍的なものをテーマにした作品はいくら時代が違っても、変わることはない。ですから、『ちびまる子ちゃん』の舞台になっている70年代の描写などでつまずくよりも、どの時代にも通じるこの作品の深さ、面白さに毎回気づかされ、そこを掘り下げるよう力を注いでいます。あと、“笑い”も大事にしています。

 もちろん、70年代を描くのに苦労することもありました。たとえばこの家電は当時すでにもう発明されていたか、当時の郵便局って何時ぐらいに閉まっていたのかな? とか。

 毎年1月に年賀はがきの当選番号を発表するじゃないですか。景品引き換えの期限が7月なんですが、そのお話を去年書きまして(第1013話「『夏にお年玉!?』の巻」15年7月19日放送)。そこで当時の静岡県清水市の景品はどんなものだったのか、当時何時まで郵便局の窓口が開いていたのか?

 その時は苦労して、清水郵便局に電話して、古株の方、何人かにお話しさせてもらったんですが、景品の方は調べることができたものの、時間だけはどうしてもわからず……。結局、演出の堂山(卓見)さんと監督に相談して、「作中で時間を見せないように調整しよう」となったんですけど、そういう苦労はありますよね。

―― 手間暇がかかっているんですね……。そういった資料探しも大変だと思いますが、『ちびまる子ちゃん』の脚本家さんは、70年代を知るベテランの方が多いんですか? それとも高橋さんのように中堅・若手みたいな年齢の方も結構多いんですか?

熊谷 半々です。一番長い方だと12~13年も書いてくださっています。原作やアニメをちゃんと理解し、愛してくれている方と一緒にお仕事ができるのはうれしいですね。

―― そうやって新鮮さを保っているんですね。

熊谷 そうですね。『ちびまる子ちゃん』は現在、1回につき2話ずつ放送することが多いのですが、その1話分はわずか10分ちょっとです。その時間内にストーリーをしっかりと描かないといけないので、脚本家さんは大変かもしれません。

高橋 私自身は尺の長短によって、苦労するということはあまりないんです。約10分の『ちびまる子ちゃん』でも、1時間のTVドラマでも、起承転結――物語を作っていくというのは同じことだと思ってますので。

東京シェアストーリー 1 (ゼノンコミックス)

東京シェアストーリー 1 (ゼノンコミックス)

高橋さん、マンガ原作をやられています

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