【今月の不健全図書レビュー】九波ヒメヒコ『オシエテクダサイ。』作者のリピドーは確実にわかる 

【今月の不健全図書レビュー】九波ヒメヒコ『オシエテクダサイ。』作者のリピドーは確実にわかる の画像1『オシエテクダサイ。』(ジーウォーク)

――東京都をはじめ、地方自治体の「青少年・治安対策本部」では、毎月“不健全図書”を挙げ、自主規制団体らと共に審議を行っている。この審議結果は毎回公表されるものの、審査過程での自主規制団体の声が顧みられることはほぼない。エロにせよ何にせよ、どこか尖った作品を大の大人が色々な立場から評価するという、そんな貴重な意見が無視されるなんてもったいない! このコーナーでは、“不健全図書”に指定されたマンガなどを自主規制団体の声と共に紹介していきたい。つまり、クラウド・ファンディング(群衆による資金調達)ならぬ“不健全図書”クラウド・レビュー(群衆による批評)、はじまり、はじまり~!

【今月の指定図書】

 初の単行本が2冊同時刊行。そして、2冊とも東京都の不健全図書指定という偉業を成し遂げた、九波ヒメヒコ氏。その2冊目が『オシエテクダサイ。』です。Twitter(@Qunami1)を拝見したところ、現在仕事募集はしていないので、ブログからメールアドレスを削除したという記述が。すごいなあ~。一生に一度くらいは仕事を断るということをしてみたいものです。

 そのTwitterによると、娘さんは3歳になったようで、これから色々と物入りで大変でしょうね。果たして、どの時点で娘さんに「お父さんは、エロマンガ家だったんだ!」とバレるのでしょうか?
 
(以下、別記のない限り、【】内は「自主規制団体からの聴き取り結果」より引用)

 さて、こちらの作品は女子校生のヒロインが、変態教師に痴漢されて堕とされていくという物語です。同じ作者の作品なのに、もう一冊の『ぺろハメ』と異なり、こちらは指定該当12・指定非該当2、保留はゼロとなっています。

 その理由は、読めば一目瞭然です。なんか、絵を見ただけで気合の入り方が違うのがわかるんですよね。『ぺろハメ』は背景もテキトーだしテキトーに描いた感すらあったのですが、こちらは、ものすごく描き込みも細かいのです。いったい、作者になにがあったのでありましょうか。

 そして、その気合の入った描き込みは、自主規制団体の皆さんの股間を直撃するものだたようです。

【痴漢や教師との性交等の問題と思われる描写もあり、指定やむなし】【性器部分は修整されているものの、全体的に性的行為自体は露骨に描かれており、体液等の描写も含めて卑わい感が強い】と、とにかく物語と描写の両面から「けしからん、実にけしからん」という声が聞こえてくるのです。

 指定非該当側が【局部は修整されており】とか【人格否定的な要素等は感じない】と主張したところで、ポジショントーク感はぬぐえません。

 ともあれ、出版社によっては1冊指定されただけでも大騒動になるわけですが、華々しい3冊同時指定を受けたジーウォークは、エロ本業界では老舗企業。そんなことでは、ビクともしない手は売ってあるはずでしょう。
だから、あんまり問題はないと思いますよ!
(文=昼間 たかし http://t-hiruma.jp/

今月の自主規制団体の声
【出典】東京都青少年健全育成審議会「自主規制団体からの聴き取り結果」より
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/677/677siryou8.pdf

【今月の不健全図書レビュー】九波ヒメヒコ『オシエテクダサイ。』作者のリピドーは確実にわかる のページです。おたぽるは、エロマンガマンガ&ラノベの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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