ミリオタライター・二木知宏の「武器で見る映画」番外編

異常に興奮する……! 魔女っ子がまたがるあの銃は“対戦車ライフル”『終末のイゼッタ』

 フィーネがブリタニア外相と同盟交渉中に、ゲルマニアがエイルシュタットに侵攻した報告を受けます。“航空機と戦車による電撃作戦”を得意とするゲルマニアが、急降下爆撃機ユンスーカ社の「Ju87シュトゥーカ」で爆撃します。エイルシュタット兵は高射砲や機銃で反撃しますが、当たりません。これは現実もそうですよね。

 その時エイルシュタット兵が装備しているライフルは、当時のフランス軍正式採用ボルトアクションライフル「MAS36」です。時代を感じます。

 ほかにも時代を象徴する「III号戦車」と「IV号戦車」が登場します。ドイツといったら、戦車ですよね!

 さらにその交渉中、ゲルマニアの軍人が部下を引き連れて、乱入します。その時、フィーネの護衛を金ピカの「ルガーP08」で撃ちます。銃声は? と疑問に思うかもしれませんが、その会談の場がオペラ上演中の劇場なので、聞こえない、ということなのでしょう。

 このルガーP08、ワルサーP38の採用前の正式採用拳銃です。自動拳銃の歴史の中では古い方で、トグルアクションという独特なものです。職人が手作りしている部品も多く、ルガーP08同士でもパーツの互換性がない、といった欠点を多く抱えています。

 ワルサーP38が登場する1940年代では、非常に扱いづらい実戦に不向きな拳銃となってしまいました。それを金ピカに装飾している。まさに“何の意味もない”銃です。それを見せびらかすように使っているということから、このキャラは“古参で、地位が高く、見栄っ張り”ということが読み取れますね。

 ちなみに、この金ピカルガーP08は実在します。ナチスドイツの高官たちが、贈り物として好んだという逸話があります。大戦中の日本軍将校たちもルガーが大好きで、菊の模様を刻印した通称“菊ルガー”を所持していたという話があります。

 ユンカース社の航空機「Ju52」で移送されるフィーネ、その手前には、あの「シモノフPTRS1941対戦車ライフル」が置いてあります。

 これ! この『終末のイゼッタ』のコンセプト画像で主人公のイゼッタがほうきの代わりにまたがってる銃、それが「PTRS1941」。

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