「俺が漫画界で一番『こち亀』を愛しているのに!」でおなじみの木多康昭、『こち亀』連載終了に何を語った?

――発行部数約230万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度からレビュー!

161003jump.jpg「週刊少年ジャンプ」公式サイトより。

「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2016年44号の表紙&巻頭カラーは、10月7日よりアニメ第3期の放送が開始する『ハイキュー!!』。今回描かれるのは、勝てば春高行きが決まる白鳥沢学園高校との一戦。今号には、TVアニメの監督を務める満仲勤のメッセージが掲載されており、「3期の見どころは、決勝戦のセンターコートの雰囲気です。そこまで勝ち残ってきた者にしか見えない景色で、観客を含めた応援の盛り上がりにも注目いただきたいです」と、見どころをアピールしている。

 今号の「ジャンプ」では、先月連載を終了した『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、『こち亀』)40周年トリビュート企画がスタート。第1弾は『食戟のソーマ』附田祐斗、『トリコ』島袋光年、『斉木楠雄のΨ難』麻生周一、『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平、『左門くんはサモナー』沼駿による、それぞれの『こち亀』マンガが掲載されている。

 そのほとんどが、自分の作品のキャラとのコラボ作になっているのだが、麻生のみ担当編集から『こち亀』の連載が終了すると聞いた時の衝撃、そして寂しさをマンガ化。「企画の趣旨を理解してない奴の為の漫画。」と題されているものの、麻生の『こち亀』愛、そしてギャグマンガの大先輩である秋本治への尊敬を感じる一作となっている。

 そんな『こち亀』愛を持つ作家についてだが、ライバル誌にその愛が有り余る(?)作家がいるのはご存知だろうか。本稿は“「ジャンプ」レビュー”なのだが、今週は「ヤングマガジン」(講談社)に注目したい。

 今号の「ジャンプ」と同日に発売された「ヤングマガジン」44号の巻末目次を見ると、「記念回になると漫画界に出現するインスタントこち亀ファンと違い真正な僕はこち亀にジャックされた亀有駅に行ってきました」と報告する作家が……。その“真正『こち亀』ファン”と語るのは、『喧嘩稼業』(講談社)の木多康昭だ。

 現在は「ヤングマガジン」に身を置く木多であるが、デビューは「ジャンプ」でしている。問題作『幕張』を連載したのち、「ジャンプ」との契約を解除し、講談社に移籍。木多の作風といえば、毒舌や下ネタをはじめ、他作品のパロディネタ、そして「ジャンプ」作家及び芸能人を思わせるキャラクターが登場することで知られる。そのため、多方面からクレームが入ったり、問題のシーンはコミックス収録時にはカットされたりといったこともしばしば……。「マガジン」で短期打ち切りとなった『平成義民伝説 代表人』でも、秋本治のネタを収録する予定だったが、編集部の判断で叶わなかった。

 木多と『こち亀』に関する特に有名なエピソードといえば、『こち亀』30周年を記念して発売されたトリビュートマンガ集『超こち亀』に自身が呼ばれなかったことを受けて、当時連載していた『喧嘩商売』で「俺が漫画界で一番『こち亀』を愛してて絶対一番読み返しているのに!!!」「描いてるヤツら本当は鳥山明の方が好きなくせによ!!」と、皮肉めいたセリフをキャラクターに言わせ話題に。

 その中で今週の『喧嘩稼業』だが、トビラ絵の背景が『こち亀』連載終了を労う看板などが設置されている亀有駅になっている。実際の風景を完璧に模写しており、両さんのポスターも確認できる。その前に立つキャラの「いいヤツほど早く死ぬ!!!」「生きてるぞ」というセリフは木多なりの秋本へのメッセージなのか、気になるところではあるが……。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。)

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