おっぱい控えめハニーじゃダメですか(涙)。アンドロイド感高めの西内まりや主演『CUTIE HONEY -TEARS-』

 言ってみれば、新作ハニーは瞳と早見との近未来SFバディムービーだ。かつてバディムービーは白人と黒人という肌の違いがあれど、男同士の汗くさい組み合わせが圧倒的に多かった。でも近年になると、女同士や男女によるバディムービーも作られるようになってきた。社会における男女のパワーバランスの変化が、バディムービーには反映されている。冒頭で触れた男女間の深い谷も、これから複雑に変容していくだろう。さらに人工知能の誕生により、社会はますます変わっていく。スパイク・ジョーンズ監督作『her/世界でひとつの彼女』(13年)では姿のない人工知能型OS(声:スカーレット・ヨハンソン)に恋してしまうバツイチ男が描かれたが、現実世界でも人工知能を搭載したアンドロイドに親しみを覚える世代が今後は現われるだろうし、その中には恋愛感情を抱くようになる人間もいるに違いない。

 本作を撮ったのは、ミュージックビデオ界でキャリアを積んできた映像作家のA.T.とVFXのスペシャリスト集団「白組」の若手クリエイター・ヒグチリョウ。ハニーと早見を通して、両監督は新時代の新しい関係性を提示している。そう考えると、新しいハニーのおっぱいが露骨に大きすぎないことも理解できる。

 アンドロイドながら人間の心の機微を理解する最新型ハニーは、男の妄想上の産物だった旧型ハニーたちに比べると、リアルな分だけ人類にとって危険な存在になりかねない。アンドロイドに夢中になる人間が増えれば増えるほど、少子化問題はますます深刻化していくだろう。セックスの匂いを感じさせない西内まりや版ハニーを観ながら、そんなことを想う。
(文=長野辰次)

1609_cutiehoney04.jpg

『CUTIE HONEY -TEARS-』
原作/永井豪 監督/A.T.&ヒグチリョウ 脚本/中澤圭規、田中靖彦 主題歌/西内まりや「BELIEVE」 出演/西内まりや、三浦貴大、石田ニコル、高岡奏輔、永瀬匡、今井れん、エリック・ジェイコブセン、深柄比菜、仁科貴、倉野章子、笹野高史、岩城滉一 配給/東映 10月1日(土)より全国ロードショー 

(c)2016「CUTIE HONEY -TEARS-」製作委員会

http://www.cutiehoney-movie.jp

おっぱい控えめハニーじゃダメですか(涙)。アンドロイド感高めの西内まりや主演『CUTIE HONEY -TEARS-』のページです。おたぽるは、映画その他の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!