仮面女子・窪田美沙が「貧困女子」に挑戦!アンダーグラウンドに潜む女子たちを描く映画『ベースメント』が先行上映!

1609_kamenjyosi02.jpg公演前のパセラアキバマルチエンターテインメント7階・アリスプロジェクト常設劇場にて。

 仮面女子の窪田美沙が主演する映画が完成し、今月末にイベント上映されるとの情報を入手した編集部はさっそく取材を開始した。

 ところが、ネットからは何ら目ぼしい作品情報は見当たらず、伝手を辿って手がかりを探ったところ、この映画を製作した人物が昨年、姉妹サイト「日刊サイゾー」で取り上げた『女子高生ビジネスの内幕』(宝島社)をはじめ、先日文庫化された『封印されたアダルトビデオ』(彩図社)などの著書で知られるライターの井川楊枝であることが判明した。市民社会が目を背けるアンダーグラウンドを取材し続けてきた知る人ぞ知る裏社会系ライターが、今作では自ら脚本と監督を担当して映画を完成させたという。

 そこで、監督本人に制作意図を直撃したところ、記事や著作でさまざまな理由から描けなかった人物や出来事、取材術をフェイク・ドキュメンタリーという映像手法を使って描いたという確かな回答が得られた。しかし、本格的な監督インタビューは新著の校了のために残念ながら延期されてしまったのだった。だが、その数日後に主演女優の窪田と劇中で井川をモデルとするルポライター役を演じた増田俊樹の2人への取材を監督から提案されたため、早々に対談形式で作品にまつわるエピソードを様々と語って頂いた。

■かねてより、「貧困女子」をひとつのウリにしてきた窪田美沙

増田 今回、LOFT9 Shibuyaで窪田さんの主演作『ベースメント』の先行上映イベントが開催されるわけなんですが、どんなところか知ってますか?

窪田 はい、なんとなくですが。でも、トークライブは初めてなのですごく緊張しています。

増田 タブーなき言論空間として20年くらいやっているロフトプラスワンの系列店なんですが、あそこにだけは出たくないという芸能人は多い。

窪田 バラエティー番組のような進行台本がないところだとは伺ってますが、怖いとは思いません。すごくワクワクしています。

増田 興味深いテーマに対して、さまざまな個性がぶつかりあいながらも、何かが生まれるんじゃないかと期待させる空間なので、仮面女子としての活動で培ってきた窪田さんのメンタルがさらに刺激されるんじゃないかと思いますよ。

窪田 今回は映画のストーリーもトークライブも「貧困女子」がテーマのひとつとなっているんですよね。わたしは幼い頃から女優さんになるのが夢だったんですけど、出身地の京都からさまざまなオーディションを受けに上京する場合は、金銭的なハードルがいくつもあって、地方からだと、どうしてもお金がかかってしまうんです。そんなお話でよければ、ぜひ聴いてください。

増田 それ、よーく解ります。

窪田 ほんとだったら小学生とか、もっと小さい頃からずっと演技をやりたかったんですけど、それも無理な環境で。だから、自分の力でなんとかやっていける時期をずっと待ち望んでいました。

増田 アルバイトは何歳くらいから?

窪田 中学3年生の夏休みからです。回転寿司店とかクリーニング屋さん、スーパーやコンビニも一通り経験しました。

増田 それって、どれも回転率の良さそうな業種ばかりですね。その中でも特に印象に残ったアルバイトは?

窪田 ラーメン屋さんです。けっこう声を出すのが重要で、声が小さかったら直ぐにスタッフから怒られるのでビシバシと言われてまして。そもそも私は声が小さいほうなのですごく怒られて、一番きつかったけど、一番楽しかったとも思っています。それと、発声の訓練にもなりましたね!

増田 そこで稼いだバイト賃を貯金して、どれくらいのオーディションを受けたんですか?

窪田 規模の大きなものから小さなものまで合わせると、50回くらいは受けました。でも、通りませんでした。

増田 確率論的には落ちる方が絶対多数なんで、僕はオーディションなんて営業の一つくらいにしか考えてませんけどね。でも、そんな窪田さんに対して親御さんはどのようなスタンスだったんですか?

窪田 反対とまではいかないですけど、積極的に後押しするという感じでもなかったんですよね。でも、それなりに応援はしてくれてましたよ。

増田 そこですよね。僕等の頃と比べると、親の世代から受けるプレッシャーはかなり緩くなってきたように感じます。ところで、窪田さんの目標は女優なのにもかかわらず、すでにアイドル歌手として活躍さているわけですよね? 歌手というのは僕からすると憧れの対象。歌手としては日々充実してるんだから、厳しい女優の仕事なんてやらなくても良いのではと思うんですが?

窪田 わたしはそうは思ってないんです!

増田 今回の現場で感じたことを読者のみなさんに正直にお伝えしましょう。例えば、お笑いの人なんかが配役されると、この芸人さんは撮影の期間だけ役者の仕事に取り組んでいるんだなという微妙な空気感が伝わってくるんだけど、窪田さんに限ってはアイドル歌手が撮影に参加しているというお約束は吹っ飛んで、家出少女を真剣に演じる女優・窪田美沙が現場で演技と格闘しているという鮮烈な印象が強かったんですよね。

窪田 やっぱり、女優が大好きですから。

増田 なるほどね。映画を観るときは、どんな風に作品を選んでいるんですか?

窪田 話題の映画もそうなんですけど、わたしはストーリー重視で選びますね。あと、どうしても尊敬する俳優さんとか女優さんの演技を観たくて選んじゃう場合も多いですね。

増田 極めて昭和的な例えで恐縮なんですが、東映任侠路線というジャンルから高倉健や藤純子の主演作を選ぶというような感覚ですよね。ところで、『ベースメント』はまだ、どの媒体にもあらすじやストーリーは一切掲載されていません。それは、初期の角川映画のように、15秒のテレビCFに胸躍らされて劇場に長蛇の列を作った僕らの世代にとって、見せ場からオチから何から何まで一気にネット動画で観せてしまうような宣伝方式には正直、ウンザリしているんですよね。なので、『ベースメント』はストーリー重視で選ぶ観客には見向きもされないタイプの作品だとは思いますよ。せっかくなんで、その辺りのことも少しだけ話しませんか?

■社会の暗部を描いたフェイク・ドキュメンタリーで、「貧困女子」を演じる

窪田 そういえば、事務所に情報解禁日のお知らせとネタバレ厳禁のメールが同時に送られて来ていましたね。

増田 そのネタバレ厳禁メールは、僕が井川楊枝監督に送った文面なんです。この映画の企画自体、僕が井川さんの著書『女子高生ビジネスの内幕』(宝島社)を拝読してさまざまな衝撃を受けた直後に、取材を申し込んでインタビュー記事を「日刊サイゾー」に発表したところから始まるんです。その数日後、たまたま井川さんから食事に誘われたんですが、著作本には記せなかった門外不出のエピソードの数々を知らされて、映画制作の閃きにつながったていったんですよ。

窪田 そうなんですね。

増田 それが、まだ今年の春先くらいの出来事でした。そこから僕が映画化の企画を立て、井川さんが実体験に基づく脚本を書き始めたところで、井川さんの会社が製作を決意された訳なんです。その辺りから、アンダーグラウンドに潜むさまざまな女子たちを誰が演じるのかが作品の鍵となっていったんですね。井川さんをモデルとするルポライターの猪俣陽一役は、早い段階から僕が演じることに決まっていたんですが、ヒロインである星来とJKリフレ嬢である心愛の年齢やキャラクター設定に対しては、監督と何度となく激論を交わしたんですよ、時間的な制約が厳しい中にもかかわらず。

窪田 事務所から、女子中学生の役だと聞かされたときには驚きました。

増田 監督が取材を通して知り得た、いわゆる社会の暗部を描いたフェイク・ドキュメンタリーなので、一旦配役が決まるとモデルになった人物に演者の個性を融合させようと徹夜でホンを直したりするんですよね。それからも、現場に行く度に改訂台本が用意されていて、さらにエピソードが深くなっていくんで文句の付けようもなかったという。

窪田 そうでしたね。わたしも撮影中はいろいろと考えさせられました。中学生ながらも、星来には幼い頃から色々な苦労があったんだと思うし、やっぱり心の中ではこんな風に先々を考えといたのかなと。

増田 現役アイドルの窪田さんを筆頭に、この作品にはさまざまな個性派たちがキャスティングされている訳なんですが、みなさん本当によく出演してくれたなぁと感激しています。昨年度のミス東京スポーツを受賞されたグラビアアイドルの璃乃さんや、評論家の鈴木邦男さん、他にもルポライターやマンガ家や活動家の方々が何気に重要な役柄で登場するんですが、その凄まじい存在感を前に、僕なんか思いっきり喰われまくってましたよ。演技では絶対に勝てない領域というものがこの世の中にはあるんだなと、つくづく実感しました。

窪田 わたしは毎日のお仕事で感じる想いとか、日々のステージに立てる感謝の気持ちとか、やっぱり辛いときもあるし、でもまた楽しい時もやってくるので、そんな感情を全部吸収して与えられた役にぶつけられたらなと思って精一杯がんばりました。これからもずっと、ステージに立ち続けてたくさんのことを吸収していきたいと思っています!

増田 もしも窪田さんが映画の企画を手掛けるとしたら、どんな作品にしたいですか? そっと教えてください。

窪田 そうですね、わたしは家族というものをとても大切にしているんですが、親なのに子どもを殺したりする事件をニュースなんかで観るたびに、やりきれない憤りを感じてしまうんです。本当の家族関係、家族のあり方なんかを伝える一方で、そういうことは絶対にいけないと、人々の心に訴えかけるような映画を作ってみたいと思ってますね。

増田 うーん、そうだったんですか。それならば、9月30日の「貧困女子」に関するトークライブでは、フェデリコ・フェリーニの『道』(1954年)について語りましょうか。

 昨今の映像業界では、こうした低予算作品はDVDシネマとして流通させ、手っとり早く制作費を回収するビジネスモデルが主流である。だが、このフェイク・ドキュメンタリーはそれとは違う展開を模索しようとしている。映画制作に賛同した数多のスタッフや関係者たちからも、時間はかかるだろうが劇場で公開すべき先鋭的なテーマの作品だとの声が集まってきているのも事実だ。

 故に、先行上映とトークライブを組み合わせたイベント上映を企画し、何の予備知識もなく会場を訪れるであろう観客のダイレクトな発言や批評を糧に配給戦略を練ろうとする関係者の頑な姿勢は、果たして実を結ぶのであろうか? 取材班の誰もがまだ、『ベースメント』を観てはいない。
(取材・構成=特別取材班)

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『ベースメント』 先行上映イベント
「アンダーグラウンドに潜む女子たち」

第一部
『ベースメント』
企画/増田俊樹 監督・脚本/井川楊枝 出演/窪田美沙 璃乃 増田俊樹 成田賢壱 サイトウミサ 落合萌 鎌田秀勝 山本夜羽音 熊篠慶彦 鈴木邦男(特別出演)

第二部
現役アイドル×アンダーグラウンド
JKビジネス、貧困女子、地下アイドルなど時代のキーワードを探るバトルトーク

【出演】
窪田美沙(仮面女子)
璃乃(LEVEL 7/ミス東スポ2015)
増田俊樹(俳優/映画監督)
井川楊枝(ライター/脚本家/ディレクター)
昼間たかし(ルポライター)
鈴木邦男(評論家)
他 飛び入りゲストあり

日時:9月30日(金)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:LOFT9 Shibuya (東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS)
http://www.loft-prj.co.jp/loft9/

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