『貞子VS伽椰子』BD&DVD発売! 夢の競演&対決を描き切った鬼才・白石晃士監督を新人ホラー小説家が直撃!!

■デッキとVHSとそのアナログの映像を、映画に残さなきゃいけない

――『リング』『呪怨』両シリーズは距離を置いてご覧になっていたそうですが。

白石 そうですね。『リング』はビデオで後から人に薦められて観ました。『呪怨』は劇場版公開の頃に最初のビデオ版を観たと思います。その頃から既に心霊ドキュメンタリーを作り始めていたので、「どんな恐怖表現があるかな」「霊的な怖い見せ方ってどんなのがあるかな」という興味があって、それで見ていましたね。要は仕事上の流れで見た感じです。当時『リング』にはそこまでハマりませんでしたね。怖いし面白いけど、自分の好みの方向性ではなかったので。

1609_sadakana.jpgリクエスト前からポーズを取ってくれた白石監督

――ご自身の好みは洋画だそうですね。

白石 ええ、『死霊のはらわた』とか『遊星からの物体X』だとか。ホラーである前にエンターテインメントであるような作品がやっぱり好きです。エンターテインメントの中に、非現実的で不可解な要素が入っている映画が好きなんですね。逆に言えば怖くなくてもいいんです(笑)。面白ければホラーでなくてもいい。だから『死霊のはらわた』もショッキングではあるけど楽しいですし、『~物体X』も怖いけど、人間同士のやりとりが最高に面白くて、そこに美しい造形のクリーチャーが出てくるっていうのが映画的に面白いと感じるんです。要はエンターテインメントの1つの要素としてホラーが好きっていう感覚ですね。

――それは原体験というか、映画に興味を持つきっかけがそういう作品だったからですか?

白石 そうですね、最初に一番意識した映画が『ジョーズ』なんで。もちろん恐怖は描かれていますが、ユーモアもあるし超絶エンターテインメントだし、それに人間ドラマもあるし。おまけにキャラクターは立ってるし。自分の好きな要素が全部詰まってるんですよね。『ジョーズ』に受けたショックとワクワク感は相当デカいです。

 あと中2の夏休みに観た『狂い咲きサンダーロード』と『ファントム・オブ・パラダイス』がきっかけで映画っていうものにハマりました。後は再放送で観た『必殺仕事人』シリーズの初期が大好きです。原体験的にはその辺りを観た時の感情がミックスされている感じですね。今現在もそれに近い作品を作っているつもりです。

――ここからは本編内容の話を。序盤「現代でビデオデッキを入手する」シーンが続くのが印象的でした。「呪いのビデオ」を改めてちゃんとやっているというか。それは監督のご意向ですか?

白石 そうです。私が参加したときに既にあったプロットでは、たしかDVDに焼かれた映像か何かだったと記憶しているんですが、VHSとかビデオデッキとかは無くて。でも貞子をやるんだったら一番最初のVHSはやりたいなと思いました。あとVHSが消えそうになっている今――それこそデッキの生産もついこないだ終了したというニュースがあった今現在なら、なおさらデッキとVHSとそのアナログの映像を、そのノイズも含めて映画の中に残さなきゃいけない。そういう風に誰かに言われている気がしたんです。だから「絶対出そう!」と思って出しました。

──女子大生がリサイクルショップでビデオデッキを購入すると、中に変なVHSが入っていて……という展開にとても説得力を感じました。

白石 ちょいちょい行くんですよ、リサイクルショップ(笑)。「何かいいもの眠ってないかなあ」って。実際、店の隅っこの方にビデオテープとか置いてあるんですよ。DVDとかも。中には変なものもあったりして。それがあの展開の元になってるんです。

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始球式とかやってたころは、絶対ギャグだと思ってたのに!

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