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「より一層芳醇な、グロ描写を考えていたんですよ」『コープスパーティー Book of Shadows』原作者・祁答院慎の素顔に迫る

■我慢をする人って、美しいじゃないですか

1619_kedwin_04.jpg祁答院先生のこだわりが詰まった「サチコTシャツ」!

――内藤穂之香ちゃんといえば、祁答院先生がこだわり抜いた「サチコTシャツ」が発売されましたね。なんでも、「このアイテムは『怖い』よりは『可愛い』で推したいです」と押し通したとか。

祁答院 商品ラインナップ全体として、怖くしていくというのももちろんある中で、やはり初めて役者さんのお写真を使わせていただくアイテムだから、穂之香ちゃんのよさが前面に出ていないと意味がないのではと。かわいらしさや儚さ、役者さんの持つ意志の強さをしっかり前に出したかったのです。

――祁答院先生の中では、“サチコTシャツ”ではなく、“穂之香Tシャツ”だったということですね。

祁答院 8割くらいはそうです。残りの2割は、ちゃんと“怖いサチコ”という配分で、アイテムにしたいなという願いがありましたね。

――祁答院先生が、“幼い女の子”にこだわる理由を教えてください。

祁答院 特に何があるわけでもないのですが、サチコというキャラクターを造形したとき、根本にあったのは、子どもの持つ神秘性や、そこに対して大人が感じる、ある種の怖さを表現したいという思いでした。今は、付加価値的に「萌える」とか言っていますが、中心にあるものは、透明感、無垢感、そこに対する憧憬や畏怖、そういった五感を刺激する存在としてのリスペクトです。

――『BRF』では、持田由香がトイレを我慢する描写がありますが、これはどのような発想で生まれたシーンなのでしょうか?

祁答院 由香のトイレを我慢する描写は僕の性癖から発祥しているといった俗な話ではなく、天神小のような極限状態のプレイスで追いつめられたとき、現実的なところで、最初にくる問題が生理現象だと思うのです。水が流れない、詰まったトイレってだけで、友達と一緒だったりしたらもう使うのを躊躇いますよね。いろいろなホラー作品を観ていても、そのあたりは曖昧にぼかしていることが多い。そこを掘り下げる意味の有無、という判断だと思うのですが。僕の場合はそこも、キャラクターを追い詰める重要な要素だと考えているので、それが発露しただけです。必然として紡いだだけのシーンであるからして、僕の歪んだ何とかだとかそういうものではない、そう僕は信じているんですよ(訴えるような目で、祁答院は語った)。

――確かに、作中では人を食べる描写など、リアリティがあるなと感じていて、そこがほかのホラー作品とは違うところですよね。でも、祁答院先生にかかると、どうも趣味のように見えるのが不思議です。

祁答院 “外道淫”の方ですよね。なんでしょう。まあ、我慢をする人って、美しいじゃないですか。何かに耐えるというのは、まず応援したくなるというのもありますし、シチュエーションがプリミティブであるほど共感できるというか、見守ってあげたくなる要素かなって。

――ともあれ、祁答院先生の描く作品は、心霊現象よりも人の怖さに重きを置いている節がありますよね。

祁答院 「霊よりも人のほうが怖い」とよく言われるのは、人の存在のほうが身近に想像しやすいからかとも思うのです。受け取る側も、描く側も。怨霊の存在も、より近くに感じられる描写に成功したときは、本当に怖い体験をお届けできるのだろうなと、日々模索しています。

――なるほど。祁答院先生は、そうした“人の怖さ”を実感した体験などはありますか?

祁答院 『コープスパーティー ブラッドカバー』の同人版を制作していたとき、当時住んでいたマンションの隣のお部屋の方が、ゲームを作っている最中に限って、すごい泣き声を上げていたことがありましたね。作り終えたとき、その方は引っ越しをされたのか居なくなっていたので詳細は不明です。ほかにも大小合わせると、わりと怖いことはいろいろとありましたね。霊障というよりは人災が多かったです。運気的な意味でも、心霊を扱う作品を作るときは、護摩焚きにいった方が良いといいますが、まるで気にしないまま作っていましたね……(笑)。ただ、経験した恐怖体験は、全部ゲームに生きていますよ。

――祁答院先生がお払いにいかないほど、『コープスパーティー』が面白くなるということですね!

祁答院 そうですね。将来的に、『コープスパーティー2』が実写映画化されたとき、「祁答院慎の霊に捧ぐ」みたいなのが出るような状況になっていなければいいなと思いますね(笑)。次につなげるためにも、これからもみなさん、応援をよろしくお願いします。
(取材・文/桜井飛鳥)

■『コープスパーティー Book of Shadows』アンリミテッド版
9月10日よりキネカ大森ほか全国順次ロードショー
【出演】生駒里奈(乃木坂46)、前田希美、池岡亮介、石川恋、水石亜飛夢、JUN(BEE SHUFFLE)、喜多陽子/石森虹花(欅坂46)/青木玄徳 ほか
【監督】山田雅史
【原作】Team GrisGris/5pb.Games(MAGES.) 
【原作監修】祁答院慎
【主題歌】「砂漠の雨」今井麻美(5pb.Records)
【配給】ツインピークス、キャンター
【公式サイト】cp-movie.jp

■祁答院慎(けどういん・まこと)
大阪技術大学・映像学科卒。リメイク・外伝とシリーズを重ねるコープスパーティーシリーズのクリエイターであり、1997年制作の原作版は第2回アスキーエンタテインメントソフトウェアコンテスト最優秀賞を受賞。コミカライズ、ノベライズ、アニメーションと幅広い展開が行われている同シリーズの原作監修を勤めるほか、AKB48 GROUP ShortShorts・映画『9つの窓』より『Dark Lake』の脚本原作、オリジナルシリーズ『DOLLSFALL/ドールズ・フォール』『はるかぜちょーじょーぶ!』『限界聖布★マジカルパンツァー!』など多数のマンガ原作脚本を執筆する等、精力的に活動中。猟奇的ホラー作品を得意とする。
【Twitter】@Kedwin

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■『コープスパーティー Book of Shadows』祁答院慎デザインアイテム発売
秋葉原発のブランド「backside of tokyo」の『コープスパーティー』コラボ第2弾!
祁答院慎こだわりの「サチコTシャツ」をはじめ、祁答院慎とサチコ役内藤穂之香の手形をあしらったシリーズなど、全9アイテムがラインナップ。普段使いしたいファッショナブルなデザインをチェックしよう!
http://backsideoftokyo.com/?mode=cate&cbid=2157516&csid=0
秋葉原「セフィロティック・ツリー」で発売記念イベントも開催決定!
詳細は下記HPでご確認ください。
http://sephirothictree.com

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