ラストで「すべて明らかに」!? 最終回直前で“泣ける”人情モノを展開した『こち亀』

――発行部数約230万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度からレビュー!

160912_jump.jpg「週刊少年ジャンプ」公式サイトより。

「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2016年41号の表紙&巻頭カラーは、連載2周年を突破した『僕のヒーローアカデミア』。この2年の間にアニメ化もされ、アニメ2期の制作も決定している『ヒロアカ』を見ると、「まだ2年?」と驚かされるばかりだ。なお、2周年を記念して「第2回人気投票」の開催が発表されている。

 今週の「ジャンプ」の掲載順位は『僕のヒーローアカデミア』以下、『ブラッククローバー』『食戟のソーマ』『斉木楠雄のΨ難』『ゆらぎ荘の幽奈さん』、月1連載の『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』(センターカラー)……と続く。先月にコミックス第1巻が発売された『BORUTO』だが、今号によれば、発売後即重版がかかったそうだ。『BORUTO』については、「絵柄が苦手」という声も多いが、『NARUTO』の続編ということで、支持するファンも多いようだ。

 そんな今週の「ジャンプ」で注目したいのは、次号で最終回を迎える『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、『こち亀』)。今号では、『こち亀』が「Most volumes published for a single manga series(最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ)」(2016年9月12日現在)としてギネス記録に認定されたことが明らかとなった。

 またしても偉業を達成した『こち亀』だが、今号掲載の「永遠の腕時計の巻」が、なかなか涙を誘う回だと話題だ。

 ミリタリーネタや鉄道ネタなど、作者・秋本治氏の趣味がたびたび反映されている『こち亀』。両津による“マニアックすぎる”説明が入るのも、それゆえと言える。今回の腕時計についても「なぜか腕時計のメカに魅かれます」(目次コメントより)と、秋本氏が興味関心を抱いている分野であるようだ。

 今回も例に漏れず、スイスの時計学校に行ったことがあるという両津による、腕時計のメカについての説明が4ページに渡り展開。いつもなら、その後は荒稼ぎを企み→大失敗に終わるパターンが多いが、今回はちょっといい話。

「超神田寿司」の女将・擬宝珠夏春都から、部品取りのために古い時計をもらおうとした両津だが、そこにあったのは、戦争で先立った夏春都の夫が使っていた軍用の腕時計。大切な腕時計だが、「壊れているし、古くて直らない」という夏春都は、あっさり両津に譲ってしまう。すると、両津は急にアメリカへ。金を借りてまで行ったということで、ウンザリする面々だが、帰ってきた両津の手には壊れていたはずの腕時計が。なんでも、現地の軍用腕時計コレクターに時計を修理してもらったそうだ。修理の際、時計の蓋の裏に夏春都の名が刻んであったことが判明し、「形見じゃない! 生きてるよその時計! 一緒に時間を過ごしてやってくれ」と、時計を返す両津。部屋を出ようとする両津の背中に向かって夏春都は初めて「ありがとう」と礼をする――というストーリーだ。

 両津に「ありがとう」という夏春都のなんとも言えない表情がまた泣ける今回の『こち亀』。今回は人情モノだったが、最終回はどんちゃん騒ぎのギャグ回となるのだろうか? 最終ページにある「次号、すべては明らかに!! その瞬間をお見逃しなく!!」という言葉も気になるが……。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。)

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