数字がいいのは映画興行成績だけじゃない!?『君の名は。』のヒットで新海誠監督の過去作のレンタル回数が3.5倍に!!

2016.09.08

映画『君の名は。』公式サイトより。

 8月26日に公開されるやいなや、わずか10日間で動員290万人、興収38億円を突破し、空前の大ヒットとなっている新海誠監督の映画『君の名は。』。公開から17日で33億を突破、38日間で60億円を超えた庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』をも上回るハイペースで、100億円の大台も夢ではないともささやかれはじめているが、数字を伸ばしているのは、興行成績だけではない。

 株式会社TSUTAYAが発表したニュースリリースによると、映画のヒットにより、新海誠の過去作品である『ほしのこえ』(2002年)、『雲のむこう、約束の場所』(04年)、『秒速5センチメートル』(07年)、『星を追う子ども』(11年)、『言の葉の庭』(13年)のDVDレンタル回数が、劇場公開前後比約3.5倍に急増、8月26日の『君の名は。』の公開とあわせて、全タイトルが前月比を上回る結果になったという(※15年12月10日~8月31日TSUTAYA店舗DVDレンタル回数実績)。

 しかし、それだけにとどまらず、映画公開により、新海監督自らが執筆した原作小説『小説 君の名は。』(KADOKAWA)の売上は、9月8日現在、72万部(KADOKAWA調べ)を突破する大ヒットを記録。昨年は『バケモノの子』『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(ともにKADOKAWA)、今年は『世界から猫が消えたなら』(マガジンハウス)など、数々の映画化原作の書籍がヒットしたというが、『小説 君の名は。』の映画公開後の売上冊数は、これら映像化原作の3倍以上を記録し、映画公開年の原作売上数の歴代最高を記録した『永遠の0』を超えると予測されるほどのヒットが見込まれているそうだ(各作品公開後3ヶ月TSUTAYA調べ)。

 また、コミック・児童文庫も好調で若年層にも広がりを見せているほか、『小説 言の葉の庭』『小説 秒速5センチメートル』(ともにKADOKAWA)も売上が約2倍に伸びているとか(16年6月1日~8月31日TSUTAYA店舗書籍販売実績)。

 さらに、8月22日から9月4日までのTSUTAYA店舗書籍、CDアルバム販売実績によると、CDアルバム総合(全ジャンルを含む)販売ランキングでは、同作の音楽を担当したロックバンド・RADWIMPSのサウンドトラック「君の名は。」(Universal Music =music=)が発売から2週間連続で1位を獲得。新海監督の要望を受けたRADWIMPSが、制作初期から作品に携わって制作されたこのアルバムは、発売初週には5.8万枚の売り上げを記録、今週も4.1万枚を売り上げ、RADWIMPSにとっては初となる2週連続でオリコン週間アルバムランキングでも首位に輝いた。また、iTunes週間ソングランキングでは、同一アーティストとしては史上初となる1位から4位までをRADWIMPS楽曲が独占するなど、新たな記録を打ち立てている。RADWIMPSの音楽と映像のマッチングも、映画のヒットの一因になっているようだ。

 なお、試しに、SHIBUYA TSUTAYA店のレンタルコーナーを覗いてみたところ、「新海誠監督作品」の棚には、『ほしのこえ』『星を追う子ども』がそれぞれ8本、『雲のむこう、約束の場所』本が10本、『秒速5センチメートル』が17本、『言の葉の庭』は33本も並んでいたが、すべて貸し出し中になっていた。秋葉原や池袋、中野といったアニメに造詣の深い場所以外にも、ブームは到達しているようだ。

 今週末には“興収60億円超え”も見込める勢いの映画『君の名は。』。一体どこまで数字を伸ばしていくのか、今後も注目したい。

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