韓国の『月光宮殿』が『千と千尋の神隠し』にそっくり!? 思い出す『グエムル』の『パトレイバー』盗作疑惑…

2016.09.01

『月光宮殿』予告編(YouTubeより)

 お隣の国・韓国で9月7日に公開されるアニメーション映画『月光宮殿』が、宮崎駿の『千と千尋の神隠し』に“似ている”と韓国で話題だ。

『月光宮殿』は、13歳の少女が不思議な世界に迷い込む宮廷ファンタジー。予告編には、李氏朝鮮時代に建てられた昌徳宮に似た建物の中にある絵巻に少女が迷い込み、異世界を冒険する姿が描かれている。

 しかし、この予告編については公開当初から「千と千尋の神隠しに似ている」といった声が韓国で上がっている。たしかに、『月光宮殿』と『千と千尋の神隠し』は共に少女の冒険を描いた物語。そして、『月光宮殿』の予告編を見ると、途中から美少年が少女の冒険に加わり、龍に乗って移動する……といったシーンも確認できる。「少女の冒険」「異世界に迷い込む」「美少年の存在」「龍」と、『千と千尋の神隠し』と似たような設定があるため、「そっくり」と言われてしまっているようだ。

 そのほかにも、ハク的な立ち位置にいる美少年だけでなく、湯婆婆的なポジションに立つ女性キャラクターが存在することや、ビジュアルこそ似ていないものの、ススワタリのように雑用をこなす妖精がいることも「似ている」と指摘される要因となっている模様。

 そんな韓国での声に対し、8月31日に『月光宮殿』の監督であるキム・ヒョンジュ氏がコメントを発表した。「本編を観れば盗作なんて話は出ないだろう。日本のアニメと根拠のない比較をするよりも、独創性と潜在的な力を持つ韓国アニメについて熱く議論してほしい」と、盗作を真っ向から否定している。

 日本でも「たしかに似ている」「素直にオマージュと言えばいいのに」と声が上がる『月光宮殿』だが、今回のような“盗作疑惑”がかけられた韓国作品の中には、ヒット作も存在している。

 2006年公開の映画『グエムル-漢江の怪物-』は漢江に突如上陸した、人を捕食する怪物(グエムル)が登場するパニックホラーなのだが、設定などが02年公開の日本のアニメ映画『WXIII 機動警察パトレイバー』に「そっくりすぎる」と盗作疑惑がかけられていた。

 疑惑の内容とは、米軍の秘密兵器・廃棄物13号に襲われる『パトレイバー』、米軍の汚染物質による突然変異によって生まれた怪物に襲われる『グエムル』……といった似た設定をはじめ、「反米描写があること」「怪物が下水溝を徘徊する」「怪物が死ぬシーン」といった類似点、また「怪物のデザインがそっくりすぎる」点など。なお、日韓両国の配給関係者はこれらの疑惑を否定している。

 しかし、『グエムル』は韓国で観客動員1,230万人を記録し、歴代の動員記録を塗り替える大ヒット。日本でも公開されており、公開翌年までには世界23カ国で公開され注目を集めた。

 公開前から「パクリ」などと言われる『月光宮殿』だが、いざ公開されればヒット作になる……かも(!?)。公開後の反応を待ちたいところだ。

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング