天下分け目の関ヶ原の合戦まで待ったなし! 信繁も景勝も儚くて格好良かった『真田丸』第33話「動乱」レビュー!!

1608_sanada33.jpg『真田丸』公式サイトより。

 豊臣秀吉(小日向文世)の死去後、ちょっとまったりした雰囲気もあったが、ここに来てテンポアップ! 関ヶ原の合戦に至るまでのフラグがしっかりと見えてきたし、なにより主人公・真田信繁(堺雅人)の熱い演技も素晴らしかった大河ドラマ『真田丸』(NHK総合)。視聴率も18.0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、SMAP騒動に巻き込まれた先週から、大体普段どおりの数字に回復。安心したところで、第33話「動乱」をレビュー!

 故・秀吉の遺言をことごとく無視し、自らの影響力を強めていく家康(内野聖陽)。三成(山本耕史)は家康を討つため、伏見城下の徳川屋敷を急襲することを決意するが、暗殺計画は本多正信(近藤正臣)に漏れてしまう。正信は諸大名に危機を訴え屋敷の守備に駆けつけるよう呼びかけ、徳川につくかどうかを試す。一気に形勢不利となった三成を救うため、信繁(堺雅人)は、昌幸(草刈正雄)のもとを訪ね、真田家が徳川につくことを提案する。一方、三成の行動に“義”を感じた上杉景勝(遠藤憲一)は徳川家との対決を決意するのだった――といった物語が展開された。

 ざっくりと見どころポイントを挙げるだけでも「官僚としては優秀でも、大将には向いていない三成の悲しさ」「三成と仲良くなりたい加藤清正(新井浩文)。その手法が腕相撲とか、不器用すぎるし、可愛い」「北条家で活躍していた板部岡江雪斎(山西惇)さんが久しぶりに登場! 徳川のスパイになってた……」「相変わらず自己PRが激しい伊達政宗(長谷川朝晴)。伊達越前守政宗と、大切なことなので2回言いました」などなど、ギュッとドラマが積み込まれた1話となった第33話「動乱」。

 中でも自分が仕掛けた徳川家康暗殺(未遂)を白々しくすっとぼけて「(三成を)ひっ捕らえて、首をはねてしまおうぞ!」などと言い出す真田昌幸(草刈正雄)が素敵すぎる。また最初のころは、そういった昌幸の演技ぶり、嘘つきぐあいにオロオロしていた信幸(大泉洋)がすぐに対応したのも、何だか成長を感じられて不思議に頼もしかった。

 そしてここまで、目上の上司として三成と接してきた信繁が、真っ向から反対する様子は熱くて格好良かった。これまで大坂編ではずっと秀吉や三成の存在感がありすぎて、振り回されるばかりだった信繁が、今回は久々に熱かった。どれぐらい熱いかというと、久しぶりに『半沢直樹』(TBS系)時代の堺雅人を思い出したぐらい。

 しかしここまで秀吉や三成に肩入れしてしまうと、いくら情勢が読めても、有利なほうにつくことなんてできないよな、と思うと胸が苦しくなってきたりもするのだが……。

 とはいえ、今話で一番熱くて格好良かったのは、誰がなんと言おうとお屋形様こと上杉景勝。ええかっこしいで安請け合いするけど実力が追いつかず、前回は家康の一にらみで、格好悪く自分の意見を引っ込めてしまった景勝が、不器用で豊臣家にあくまで忠誠を誓おうとする三成の姿に、ついに開眼。「(徳川は)わしが倒す」と断言!

 これで三成&上杉vs徳川という、関ヶ原の対決図がドラマ上でも明確に描かれた。ネット上を見ても「この景勝の覚醒が直江状につながって関ヶ原になると思うと相当な胸熱回やったわ」「はい景勝様主導関ヶ原来ました!!!!!!!!直江状書かせる景勝様来ました!!!!!景勝様の意志によって書かれる直江状来ましたよ!!!!!!もうね……景勝様の声がもう違うもの……ちゃんと本気なときの声だもの……」と、中盤33話まで来て、ついに本気になった景勝の姿に豊臣家・上杉家好きは興奮状態。

 次回予告を見ると、第34話「挙兵」で一気に関ヶ原直前まで物語は進むようなので、かの有名な“直江状”なども来週出てくるのだろう。次週は『真田丸』屈指の興奮回となりそうだ。心して待ちたい。

 さて、現在話題沸騰中、信繁の母・薫を演じる高畑淳子の息子で、強姦致傷容疑で逮捕された俳優・高畑裕太容疑者。高畑容疑者も『真田丸』に出演予定であったため、その影響が心配されたが、収録しなおしとなったようだ。

 高畑容疑者が演じる予定だったのは信幸の息子・真田信政役。なので祖母と孫役で共演予定だったようだ。ちなみに信政は大坂の陣に参戦して、ものの見事に敗れたり、子どもができないまま父・信幸より早く死去、後継者問題で真田家を大いに揺るがしたり、祖父・昌幸、父・信幸、叔父・信繁と比べると戦国大名、武将としてはパッとしない人だったようだ。

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

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今度映画になるやつ。名作です

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