『よこしまな江口くん』(野澤ゆき子) 俺も頑張ろう。日常の中はエロだらけ! 

 小学5年生で、このレベルか……末恐ろしい! ようやく単行本になった、野澤ゆき子『よこしまな江口くん』(徳間書店)。この作品は、小学5年生の秀才風謎眼鏡な江口くんが、日常の中でちょっとしたエロを見つけるショートストーリーである。

 もちろん、日常の中のエロだから、あくまで健全。江口くんは、ひたすら冷静に日常の中に潜むエロスを発見し、満足するのである。

 しかも、江口くんのエロへの情熱はとてつもなくレベルが高い。彼にとっての日常の中のエロスとは、単なるラッキースケベではない。日常の中で、まったく相手に悟られることのないままに着実に、エロのビューポイントを発見し、そこで一人だけ悦に入るのである。

 この、誰にもわからない江口くんだけの、エロビューポイントを見つける能力に感嘆しつつ、日常に潜むエロに興奮するのが、本作の楽しみ方といえる。

 では、その日常に潜むエロとはなにか。例えば、江口くんは買い物に行けば、ジーンズをはいた店員がしゃがんだときに見えるパンツにグッとくる。それも単に視界に入ってきたのではない。探している品物の在庫を探すときに、彼女は絶対にしゃがむという未来予測の上で、買い物メモを渡して視姦へと至っているのだ。

 ここまで計算し尽くす小学生など、かって存在し得ただろうか。

 とにかく江口くんは、今、この瞬間にどのような行動を取ればエロを目撃できるかを計算し尽くしているのだ。100円を拾っただけで交番に届けようとして、友達から「えー」っとブーイングを受ける回では、交番にいたのはクールビューティーな巨乳の婦人警官。ちゃんと100円を届けた江口くんは、クールな彼女がニッコリと微笑んで褒めてくれることまで、計算し尽くしていたのである。

 こんなのはまだ序の口で、江口くんは着ぐるみの中の人が女の子だと見抜いて、ギュッと抱きしめられて頬で、オッパイを感じて悦に入っていたりもする。なんとも、レベルが高いのだろうか。

 そして、江口くん。日常エロを目撃するならば相手に見境がない。学校の運動会では、友達の母親と二人三脚することになり、身長の都合からオッパイビンタされまくって悦ぶ。かと思えば、母親の子持ちの友達のパンチラにまで満足するのだ。

 江口くんは、けっして常に100点満点日常エロを求めているのではない。パンツがちょっとだけでも、腋ブラ程度でも十分に満足している。すなわち、エロの質よりも量を求めている。それゆえに、常に幸福感を得られるのである。

 常に謙虚に、小さなエロでも満足し続ける紳士・江口くん。彼に学ぶことは多いと思った。
(文=ピーラー・ホラ)

よこしまな江口くん 1巻

よこしまな江口くん 1巻

江口くんの将来が怖い……

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