【インタビュー】元SKE48岩永亞美、1年半の沈黙を破って歌手デビュー! アイドルから本格的な音楽の世界へ

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 元SKE48の岩永亞美が2日発売の「今しかない~now or never~ / いつまでも」(cink.A)で約1年半の沈黙を破ってソロデビューを果たす。2015年2月にSKE48を卒業後、本格的に音楽をしたいと上京。ピアノやギターの特訓をしながら、ライブハウスを中心に音楽活動をしていたが、本作で本格的に芸能活動をリスタート。シングルリリース後の11日にはSHIBUYA DESEOで「Acoustic LIVE」を開催する。今回はそんな岩永にデビュー曲についてはもちろん、沈黙を守ったこの一年半の自身の活動などについて話を聞いてきた。

──SKE48を卒業後、約1年半ぶりの本格的な芸能活動となりますが。

岩永 こんなに早くお話をいただけると思っていなかったので、すごく驚いています。

──そもそもこの1年半は、どのように過ごしていたんですか?

岩永 2015年の2月28日が正式なSKE48での最終活動日だったんですけど、1カ月後の3月末くらいからブログを始めて、その後は卒業生の方の番組に何回かゲストとして呼んでいただいたりして、ときどきメディアに出る機会はありました。でも、わたしは音楽を一度、ゼロからきちんと始めたいという気持ちがあったので、思い切って上京して音楽活動を始めることにしたんです。そもそもSKE48を卒業しようと思った背景には、もっと本格的な歌手活動がしたいというのがあったし、自分で作詞とかして、いつかはCDデビューしたいっていう夢もあったんです。この1年半はレッスンを受けたりしながら、ライブハウスを中心に音楽活動をしてきました。

──ソロデビューの話が来たときは、どんな心境だったんですか?

岩永 実は3回断ったんです(笑)。わたしにこんないい話はなかなか来ないと自分で思い込んでいたので、話をもらったときは半信半疑。いい話すぎて信じられなくて、3回お断りして、最終的にはスタッフさんと話して「やりましょう」となって、今に至る感じです。東京に出てきて、ボイストレーニングに通い始めて、これからもっと勉強していこうっていうときにこのお話をいただいたので、迷いもありました。もっといろいろ勉強してからのほうがいいんじゃないかなって思う気持ちもあったんです。

──今回、作詞は自分でされているんですか?

岩永 今回の曲は違います。でも、自分の気持ちをきちんと表現して歌ってみたいとか、自分で歌詞を書きたいという願望は、今も強く持っています。

──本格的に音楽活動をはじめようと思ったのはなぜ?

岩永 SKE48に入るまではそんなに音楽に興味があったほうではなかったんですけど、SKE48でいろんな人と接する中で、アイドルだけでなく、音楽をされている方にも興味を持つようになったんです。歌だとYUIさんの曲を聴いていいなって思いはじめて、そこから絢香さんとか大原櫻子さんとか、いろんな方の歌を聴き始めたんです。で、だんだんギターを持っているシンガーソングライターの人に興味が片寄りはじめて(笑)、そっちのジャンルの人が好きなんだなって気付いて「ああ、わたしも歌いたいな」って。

──ギターの練習もされていると聞きました。

岩永 卒業してから練習を始めたんです。でもまだ、ド素人。不器用だし、手が小さいから、結構たいへんです(笑)。いくつかコードは押さえられるようになりましたけど、まだわからないこともたくさんあります。でも、ミュージックビデオでは少しギターも弾いています。いつかみなさんの前で披露できたらいいな、なんて思ってます(笑)。

──今回リリースされる曲ですが、どんな曲なんですか?

岩永 「今しかない~now or never~」という曲と、「いつまでも」という2曲あるんですけど、表題曲にもなっている「今しかない」の方はすごくアップテンポな曲。歌詞がすごく前向きで、悩んでいる時に聴いたらすごく元気になれる曲だと思います。わたしもちょっと前、すごく悩んでいて、そのときにファンの人がコメントでこの曲の歌詞を書いて送ってきてくださって、すごく元気になりました。卒業してからはずっと一人。楽しいことよりも不安なことのほうが多かったりするんです。だからこの曲を聴いて、今しかないから頑張らなきゃって、わたし自身も元気をもらっています。

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──「いつまでも」のほうは?

岩永 作詞をされた方が震災を経験したときに作った詞で、周りの人の存在の大きさを歌にされたと聞いています。わたしも上京して今は一人で住んでいるんですけど、いろんな人に助けられながら活動しているので、家族の大切さとか友達の大切さ、スタッフさんとか、周りの人の存在がどれだけ大きいか感じることが多くなりました。いつもイベントでこの曲を歌うときは、そういうことを思い浮かべながら歌ったりしています。みなさんにも大切な人を思い浮かべて聴いてほしいなって思っています。

──ちなみに今フリーランスだそうですね。事務所には所属していないのでしょうか?

岩永 していないです。

──セキュリティの面など不安になりませんか? 最近、アイドルを狙った大きな事件が起こったりもしたばかりです。

岩永 不安です。でもライブハウスの人も協力してくれて、セキュリティ面にはかなり注意を払っています。フリーランスになってからは今まで以上にいろんな人とコミュニケーションをとるようになって、ライブハウスの人たちとも協力し合える環境を作っているんです。

──音響を担当するPAさんたちにも、自分から声をかけたりするようになったとか。

岩永 そうなんです。フリーランスになったことでよかったなと思えることもたくさんあって、以前、SKEにいた頃は当たり前のように感じていたことが、そうではなくて、周りの人に支えられているんだな、助けられているんだなってことを強く実感できるようになりました。ファンの人の存在も、今まで以上に大切な存在だと気づくようになりましたし。

──こうしてお話しをしてみると、岩永さん、すごく考え方がまっすぐでまじめなんですね。

岩永 性格はまじめです(笑)。まじめすぎるから自分でもときどき嫌になるんです。潰されやすいタイプかもしれないです。でも、反面、わたしすごく逞しいとも思うんです。悩んでいる部分もあるけど、基本ポジティブ人間。芯は強いほうです。

──そもそも自分自身を、どのように分析されているんですか?

岩永 友達の中だとあんまりしゃべらないタイプ。みんなの話を聞いているのが好きで、みんなの輪の中心にいるより周りにいるタイプです。学生時代はすごく内気でした。幼稚園の頃は給食もみんなと食べれないほどの引っ込み思案で、ずっと先生の後ろに隠れているようなタイプだったんです。人前で歌も歌えないタイプだったので、中学生になるまでカラオケにも行ったことがなかったんです。それが中学の時にバレーボール部に入ってから少しずつアクティブになっていって、高校入ったころから友達とよくカラオケに行くようになりました。歌ったら「上手だね」って言ってもらえて、それで調子に乗っちゃって(笑)。わたし、歌、歌えるのかなって思って、ボイストレーニングに通いだしたんです。みんなでカラオケが楽しく歌えるようにっていう気持ちだけで通って……。歌はSKEに入ってもっと好きになりました。

──今回、久しぶりの表舞台ということでプレッシャーはありますか? アイドルをはじめた時と今とではどちらが緊張しますか?

岩永 またアイドル時代と違う不安ですけど、今の方が不安かもしれないです。前は大きなグループの中にいて、テレビとかに出させてもらえる恵まれた環境の中での不安だったので、すごく贅沢なプレッシャーだったように感じるんです。今は先が見えないことへの不安というか……わたし正直、8月2日にリリースしてその後のことを、いつもどうしようって考えているんですけど、本当に見当がつかなくて……。シングルを出してみてどう変わるかとか、そういうことは全くわからないけど、ファンの人と掲げた目標が叶って、こうして今歌えるのが幸せです。

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──以前、SKE48のドキュメンタリーを見たことがあって、あの過酷な世界でやれたら一人になってもなんでもできるだろうなという感想を持ったのですが。

岩永 あのときはもう環境は整っていてレッスンする場所もあって、レコーディングしてくれる人も常にいるし、ダンスも教えてもらえる。本当に環境が整った中でやっていたんです。今はギターを弾くにしても自分で先生にお願いをして自分で練習しなきゃいけない。まず、環境づくりから自分でします。アイドル時代とは、まったく苦労も違います。そういう意味ではすごく勉強になるというか、わたし、この1年間はフリーでやっていてむしろ苦じゃなかったんです。今は今ですごく楽しいなって思うようになりました。

──でもいよいよリリースとなると、あの頃のようにプレッシャーも芽生えてくるのでは?

岩永 結果を求められるので不安ですね(笑)。今ライブに来てくれているのはSKE48の時のファンが多いんですけど、ショッピングモールを回ったりするときは、わたしのことを知らない人の前で歌うことも増えました。時間が少ない中、自分がどういう人間か伝えないといけない苦労がありますが、知らない人にももっと自分を知ってもらいたいなって頑張っています。

──そのSKE48の仲間とは連絡は取り合ったりしているんですか?

岩永 はい。卒業したメンバーと取ったりとか……。みんなそれぞれ卒業した子は保育士さんになったり大学生だったり。進路もばらばら。卒業して芸能活動しているのはわたしの周りでは少ないです。東京に来て仲が良かった先輩が連絡をくれることもあります。でも現役のみんなの活動は正直あんまり見れていないんです。今は自分の活動に必死で……。今年の総選挙は、家に帰ったらやっていたので見ました。わたし、同期の子に投票したんです。同期も13人いたんですけど今は5人しかいなくて……5人にちゃんと一票ずつだけど、票を入れました(笑)。

──活動としては今後どうしていくんですか? 歌手一本なのですか?

岩永 たとえばカレンダーを作ったり、写真を撮られたり、演技もやってみたいなという気持ちはあります。カレンダーや写真集をフリーでやるのがいいか、事務所に入ってやったほうがいいのかはわからないんですけど。なんかそういうものも今だと自分で考えて作れるんじゃないかって。わたしそういうのを考えるのもすごく好きなんです。今回のミュージックビデオも自分の意見を反映してもらったりして楽しくできたんです。ジャケットのイメージや衣装も「こういうのがいいです」って言ったらほぼそれ通りにやってくださって、いいな、自分でプロデュースするのも楽しいなって。

──いろいろやっていきたいなっていう気持ちがある?

岩永 はい。でも、テレビとかはチャンスをいただければやってみたいけど、向いていないなと思うところもあるんですけど(笑)。さっきのカレンダーとかグッズ作りとかなら地道にやっていけるかなって。演技はすごくやりたいです。舞台の話もいただいていたんですけど、リリースとかぶってしまったから、まずは歌のほうに集中しようって実現していません。今優先すべきは音楽だなって思ったんです。ライブハウスに自分でチラシを置いたりとか。わたし結構そういうの好きで、ビラ配りも自分でしたいなと思っています。一からやりたいんです。何もないんでわたし。そういうこともフリーの今ならできるって。

──音楽の方向性としてはどのようなものを考えているんですか?

岩永 こういう音楽がしたいというのはあまりないんです。「バンドやろうよ」って言われたらやりたいし、「グループ作ります」ってなったそれもやりたいし、ソロもやりたい。音楽やれたら何でもやりたいって思っています。音楽活動を今は充実させたいです。

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──今後のライブの予定は?

岩永 とりあえず8月11日に渋谷でアコースティックライブをします。そこでは、わたしはギターは弾かないんですけど、練習を続けていつか自分もやれたらいいなって思っています。11月、12月はハロウィンとクリスマスにライブの予定があるんですけど、ファンの人といろんなことが楽しめたらいいなと思っています。

──まだ曲も少ないと思いますが、ほかはカバー曲を歌ったりするのですか?

岩永 そうです。カバー曲が多いです。アコースティック系の方の歌をたくさんカバーしようと思っています。あと、ライブはライブ+ファンミーティングみたいな感じでやろうと思っています。やっぱり歌っておしまいだと、ファンとの交流もないので……。交流会に近いライブ、歌も歌えばゲームもするみたいな、そんなライブをやっていきたいんです。一日でたくさんのファンの人と話せたらいいなって。曲も今まではずっとカバー曲でしたが、今後は自分の歌が歌える。やっとひとつファンの人に恩返しができるなと考えています。

──リリース後の活躍を楽しみにしています。

岩永 8月2日でわたし自身、いい風にも悪いふうにも変わると思います。どれだけCDが売れるかはわからないし、うまくいけばいろんな人にもっと自分の歌を聴いてもらえるチャンスだなって。でも、CDを出した後に気持ちが空っぽになっちゃう可能性だってある。この波に乗って上にいけるのかわからないので、この日を終えてみないと先が見えないです。3月くらいからこれに集中してやってきたので、とりあえずのゴールが8月2日と、リリースイベントの11日。その後のことはそれから考えていきたいです。

──余談ですが、今日インタビューをするにあたって、いろいろ調べていると、ネットでは岩永さんの素顔を明らかに誤解しているような書き込みが見られますね。今回話してみて、岩永さんの本当の素顔を知れて少しほっとした気分になりました。

岩永 そうなんです。彼氏がいるんでしょ? 飲酒したんじゃない? 卒業した本当の理由は……? そんなことまったくないよ(笑)。全部誤解だし、勘違いされるのは、わたしが何も言わないからだと思っています。本当に前向きな卒業だったんですけど、いろいろ言われちゃっていて……。

──反論したりはしないんですか?

岩永 やっぱり自分が言葉足らずなのかなって反省しています。でも本当のファンの人はきっとわかってくれているから、あえて訂正もしないし、その人にそう思われてしまったらそう思われたわたしが悪いって思うので。今の活動を通してそれを伝えなきゃいけないなと思います。

──ライブやファンとの交流を通じて、本当の岩永さんの姿をもっといろんな人に知ってもらえるといいですね。

岩永 今は歌を本当に一生懸命やりたいので、みんなの本当の声に耳を傾けたいと思っています。みなさん、応援よろしくお願いします!
(取材・文=名鹿祥史)

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