「その勢いでコルベットとガンシップを頼むよ」ナウシカの「メーヴェ」が試験飛行に成功

1608_naushika.jpg『朝日新聞デジタル』より。

 誰もが一度は乗ってみたいと思ったことのある宮崎駿監督の作品『風の谷のナウシカ』でナウシカが乗り回す「メーヴェ」。そんな夢の飛行装置が制作され、北海道の滝川市において7月31日に初めて飛行テストを公開した。これには「子供の時夢だったやつ!」「やべ、なんか泣きそう!」と興奮の声が上がった。

 メーヴェは言わずと知れた、ナウシカが機体の上に立ったり、腹ばいになって飛行している白い飛行装置だ。この機体を開発し、自らパイロットを務めるのは東京芸大・准教授でメディアアーティストの八谷和彦氏。八谷氏は2003年から開発に着手。機体は模型から始まり、けん引する滑空機、ジェットエンジンを搭載した機体へと進化。3年前に試作機が制作され、14年から千葉県や滝川市で試験飛行を行って完成形へ近づけてきた。

 今回制作された機体「M‐02J」は、幅約9.6メートル、全長約2.7メートル、重さ約100キロ。尾翼がなく、ジェットエンジンの両脇に木製の骨組みにフィルムを張って作られた羽根を付けており、メーヴェと同様に腹ばいで乗り、体重移動によって機体を操縦する。細かな設計や製造はメーカーが担当したという。八谷氏もハンググライダーなどで飛行の訓練を繰り返してきたそうだ。

 31日の試験飛行では、滝川市の「たきかわスカイパーク」のイベントに合わせて試験を公開した。風が安定する朝方に4回ほど飛行が行われたのだが、ふわりと浮くと高度およそ70メートルまで上昇、上空で8の字に周回して手を振るなど、約3分間の飛行を行い、ナウシカさながらの姿で見物人を楽しませた。

 八谷氏がメーヴェの制作に着手したのは、イラク戦争に関心を持ったのがきっかけだったという。当時のイラク戦争が原作版『風の谷のナウシカ』(徳間書店)の設定と似ていると感じ、「いま作品を作るなら戦争と対極にある“希望”のようなものを形にしたい」と考え、数年前から考えていたメーヴェの制作に乗り出すことにしたそうだ。

 試験飛行を成功させた八谷氏は「鳥になったようでとても気持ちよかった。人類の長年の夢がかなえられた」「いつか宮崎監督にも見てもらいたい」と喜びをコメントしている。また、「絶対に事故を起こすことなく、夢を叶えると決めていた。試験はもう少し続ける予定だが、公開は終わりにするつもり」とのこと。今後はより飛行を安定させることを目標としていくそうだ。

 公開された試験飛行の動画を見た視聴者からは「あの、おそろしく腕の力が要りそうなメーヴェが……本当に飛んでいる!」「ジブラーなら誰しも憧れるメーヴェやん!!」「文明が追いついた!? これは感慨深い」「ドローンとかいいからこれを実用化してくれ!」といった声が上がった。また、「今度はガンシップをお願いしたい」「その勢いでコルベットとガンシップを頼むよ」と、『風の谷のナウシカ』で登場する架空の戦闘機である2人乗りの「ガンシップ」や、トルメキア帝国が所有する武装航空機「コルベット」の制作を期待する声も。

 多くの人が「M‐02J」の実用化を夢見ているようだが、宮崎監督の公認も受けておらず、今後量産する予定もないという。飛行の成功という目標を達成出来たらプロジェクトは終了となるため、一般の人間が「M‐02J」に乗ることは難しそうだ。ただ、今回の飛行を受けて他の開発者が実用化を目指して制作に乗り出す可能性もないとは言えない。いつかメーヴェに乗れる日を夢見て、ハンググライダーの訓練に励むのもありかもしれない。

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